グレシーニのマルク・マルケスは、MotoGPインドネシアGPの決勝をエンジントラブルによってリタイア。これにより彼は、わずかに残されていたタイトル獲得の希望も絶たれたと感じているようだ。
インドネシアGPのスプリントでは、12番グリッドから3位を獲得するという追い上げを見せたマルケス。決勝レースも同様のリカバリーを狙っていたが、7番手走行中の12周目にトラブルに見舞われた。エンジントラブルでバイクから火の手が上がり、リタイアを余儀なくされたのだ。
ここ3戦で2勝を挙げ、7度目のMotoGPライダーズタイトル獲得に向け終盤の追い上げに望みをつないでいたマルケスだが、このリタイアでポイントリーダーであるホルヘ・マルティン(プラマック)との差が78ポイントまで拡大。数字上、残り5戦で逆転することは不可能ではないものの、マルケスはタイトル争いから脱落したと認めた。
「タイトル争いから脱落したことは悲しいけど、(2024年の)僕の目標はすでに完了しているんだ」
そうマルケスは語った。
「レースごとに目標を設定して、レースでの一貫性を見つけようとしている。それをやっていたのは良かったよ」
「次のステップは予選を改善すること。だから、次の大会ではもっとうまくやって、1列目、2列目のグリッドを得られるように集中したい。これが次の目標だ」
決勝レースでは、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46)と抜きつ抜かれつの激しいバトルを演じたマルケス。その前を走り、ふたりがバトルする間に差を広げて最終的に表彰台に上がったのがフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)だったが、マルケスはバニャイヤに追いつけるだけのペースがあると感じていたようだ。
「残念ながらエンジンが壊れてしまった。僕らの手には負えないことだけど、時々起こることで、今日は僕の身に起こった」
「とても不運だったがドゥカティ、グレシーニ、そして僕自身は、共に勝ち、共に負けた。今日はトラブルがあったが、週末を通じてフィーリングは良かった。それがもっとも重要だ」
「レース序盤は激しいバトルになったが、そのようなバトルではタイムを失うだけだ。ペッコ(バニャイヤ)の後ろでペースは良かったし、3位か5位以内という目標はペッコの後ろでコントロールできると思っていた」
マルケスは何度も順位を入れ替え、何度も接触しそうになったディ・ジャンアントニオとのバトルを次のように振り返った。
「彼とバトルを始めたんだけど、彼はちょっと大げさだったね」
「彼はリヤタイヤがソフトだったから、序盤はかなりプッシュしていたし、ブレーキングも遅らせていた」
「でも(9周目に)彼が転倒してからは、僕もリズムを取り戻し、どんどん速くなっていった」
その後の火災と、粉末消火器によってマルケスのバイクは修復不可能なダメージを負い、連戦となる次戦日本GPに間に合わせるためにチームが困難なタスクに直面していることをマルケスは認めた。
「後ろで大きな音がしてエンジンが止まったが、白煙を見てすぐに(火事が起きていることを)確認した」と彼は説明した。
「ここにある消火器は正しいものではなかったので、バイクは完全にダメージを受けてしまった。プライベートチームにとっては大きなコストだ。チームにとっては残念なことだよ」