先日、友人宅でディルアングレイのライブ映像(U-NEXT)を観ていた私は、ふと「人生で最後に買ったシングルCDって、ディルアングレイの『朔 -saku- 』だったなァ……」と思い出していた。
これは私がディルアングレイを好きだったからでも(好きだけど)、ましてや嫌いになったワケでもない。ただ、たまたまである。「後から振り返ってみると、あれが最後だった」……平成を生きた多くの日本人にとって、シングルCDとはそういう存在なんじゃないでしょうか。
なんだか急に知識欲を刺激された私は「人生で最後に買ったシングルCD」について聞き込みを開始。あなたが最後に買ったシングル、何でした?
・調査開始
「シングルCD」がよく分からない世代のためにご説明しておくと、シングルCDには「8cm盤(CDシングル)」と「12cm盤(マキシシングル)」があり、現在30代中盤〜の人なら「シングルCD」と聞いて8cm盤を思い浮かべる場合が多いと思う。
1枚2曲入り1000円が基本だった。
対して12cm盤は、パッと見アルバムと見分けがつかないが、よく見るとアルバムより厚みがないのが特徴。マキシシングルは昔より小規模ながら現在も普通に流通しており、本記事ではマキシもシングルCDとして扱わせていただく。
手始めに、その場に居合わせた友人N(30代男性)と友人J(30代女性)に「最後に買ったシングルCD」を尋ねてみた。「初めて買ったCD」は誰もが覚えているものだが……最後の、しかもシングルとなるとどうだろう?
友人N「19(ジューク)の『蒲公英 -たんぽぽ- 』(2002年リリース)。19が好きでCDは全部買っていたけど、このラストシングル以降はシングルって買っていないな、そういえば」
友人J「ロードオブメジャーの『大切なもの』(2002年リリース)。当時のバラエティ番組で “『大切なもの』がオリコン50位以内に入らなければ解散” という企画があって、ノリで買った。シングルなんて数えるほどしか買ったことがないから、これはよく覚えている」
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・エピソードがエグい
こ、これは……! のっけから完璧に近い回答が2つも得られてしまった。どちらの理由も納得がいきすぎて首が取れそうになる。
なお正確にいうと、私はディルアングレイの『朔 -saku- 』(2004年リリース)以降も握手券などの特典目当てで聴きもしないシングルを買ったことはある。シンプルに曲が聴きたくて買ったシングルの最後が『朔 -saku- 』だった、というワケだ。
なぜ自分はシングルCDを買わなくなったのか? 詳細は不明だが、当時の私は1人暮らしを始めたところで、置き場所がなかったことが一因かもしれない。あとMDの普及により、CDを買うハードルが上がったことも大きいと思われる。
続いては、たまたまランチの約束をしていたライターのほりこしさん(30代女性)。
ほりこしさん「w-inds.(ウィンズ)の『変わりゆく空』(2005年リリース)ですね。ずっとw-inds.が好きだったんですが、ちょうどこの頃ソーラン節にハマりましてね。w-inds.よりソーラン節に夢中になってしまったことが、これが最後のシングルになった原因です。ちなみに私、ソーラン節にのめり込みすぎて大学に落ちました」
エピソードのインパクトが強すぎてあやうく本題を忘れそうになってしまったが、世の中にはw-inds.からソーラン節に心変わりする女子高生も存在する。まるで『変わりゆく空』のように……。