バニャイヤ、ダメージ最小限に抑える3位も序盤の出遅れ響く「スタートを見直す必要があるね……」

 ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤは、MotoGPインドネシアGPの決勝を3位でフィニッシュ。一時6番手まで後退する中で、なんとかダメージを最小限に抑えた。

 スプリントでは、タイトルを争うホルヘ・マルティン(プラマック)が転倒するのを尻目にトップチェッカー。12ポイントを獲得し、マルティンのリードを12点まで削った。

 ミディアムタイヤでのペースは一歩劣るように見えたものの、なんとかマルティンに接近すべく高い士気を抱いて決勝レースに臨んだバニャイヤ。しかし、4番グリッドからのスタートはうまくいかなかった。バニャイヤの反応自体は悪くなかったものの、フロントタイヤが浮いて加速が鈍り、ターン1でポジションを上げられず4番手をキープした。

 しかし1周目のペースも今ひとつだったバニャイヤはオーバーテイクを許し6番手まで後退。その後はマルク・マルケス(グレシーニ)やファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46)とバトルを繰り広げた。

 マルケスとジャンアントニオを振り切ると、クリーンエアの中では1分30秒台のハイペースで走行したが、3番手を争う集団に追いつくと再びペースダウンを余儀なくされた。

 最終的にはマルコ・ベッツェッキ(VR46)とフランコ・モルビデリ(プラマック)をパスし、なんとか表彰台を確保したバニャイヤ。マルティンが決勝レースを制する中でダメージを最小限に抑えたが、マルティンとのポイント差は21点となった。

 レース後にバニャイヤは、ハードブレーキングができなかったことが他のライダーの後ろにいた時に足かせとなり、表彰台争いのライバルを振り切るのに時間がかかった理由だと語った。

「ハードブレーキングするパワーが足りなかった。後続のマシンに後れを取ったときは、それが出来なかったんだ」

「他の選手は僕より上手だったから、やり方を学ばなければならない。でもハードブレーキングをするのは本当に難しかった」

「マルコ・ベッツェッキの後ろについたとき、GP23(ベッツェッキの乗る1年落ちのバイク)はトラクションがGP24より少し良かったから、彼を抜くのに8~9周かかってしまった」

「フランコ・モルビデリをオーバーテイクするのはもっと簡単だった。同じバイクに乗っているし、彼が何をしているかをよく理解していたからね」

「でも最終的には、スタートと1周目のせいで難しいレースになった。スタートが少し遅すぎて、その後のリカバリーが大変だった。ペースはそこそこあったけれど、ダメだった」

 前年型のデスモセディチGP23と最新型のGP24を比較し、それほど違いはないと改めて主張したバニャイヤは、最近の課題だったスタート以上に、1周目のペースが悪かったと振り返った。

「僕の前にいたベッツェッキは、ライドハイトデバイスを使っていなかった。彼は車高が高いまま走っていて、バスティアニーニはそれをブロックした」

「結局それほど悪くはなかったんだけど、1周目に多くのミスをしてしまった。ターン16に少し慎重にアプローチしたことで、ふたりのライダーに抜かれてしまったんだ。でも車高を落としたら、とてもよく加速してくれた」

「でもこれについては調べてみる必要がある。アラゴン以降、スタートがうまくいかないんだ。あの局面でいつも負けてしまう」

「ミサノと昨日の2回を除けば、僕にとっては本当に難しいことだ。以前はこんなことなかったんだ。ドゥカティでの2年間は、いつも完璧なスタートを決めてきた。だから、どこが間違っているのかを学ばなければならない」

 インドネシアでマルティンとのギャップを縮められたことに満足しながらも、バニャイヤは来週末の日本GP以降の終盤戦で、もう少し良い走りをしなければならないと語った。

「3ポイント差を縮めた。最終的にはそれが目標だったんだ。昨日はホルヘがクラッシュしてくれてラッキーだった。単なる運ではないけど、ポイントを挽回するのに役立った」

「まだ(スプリント含め)10レース残っているので、この調子で挽回し、もっと良くなることが重要だ。もてぎではここより少しうまく戦えるかどうか見てみよう」