・成功か?
カチカチではないけども、8割くらい凍ってますよYoshioさん! これはイケる!! これはイケるでェェェェエエエエ! すぐさま私(あひるねこ)は氷を近くにあった小鍋に移した。その結果……
おでんかよ!!
いや、もはや大根だろこれ! 氷が熱々になってんじゃねェェェェェエエエエエ!! とはいえ実験は成功である。あとはこいつをグラスに入れて、そこにビールを注げば薄まらずキンキン状態が続くに違いない!
急げ急げーーーー!
おお、いい感じ!
これぞビール革命だ!!
よっしゃ乾杯ィィィィイイイ!!!
にっが!!!!
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・秒速で失敗
な、何だこれは……。冷たいことは冷たいのだが、まるでビールの苦みを極限まで煮つめたような味である。そこには旨みも爽快さも何もない。あるのは気の抜けた虚無のみ。ただ苦みだけが実体を伴って横たわっているかのような……現代社会を映す鏡か。
私とYoshoは無言でビールを飲み干し、後片付けをして、各々の席へと戻った。
ビールが途中でぬるくなるから何だというのだ。その醜い欲深さ、傲慢さが、あのおぞましい虚無氷を生み出したのだ。
悪いことは言わない。ビールはそのまま飲んだ方がいい。世界には触れぬ方が幸せなこともあると、今回の経験を通して改めて学んだのだった。
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.