Blackmagic Design導入事例:ドキュメンタリー映画「Happy Campers」の場合

Blackmagic Designによると、数々の賞を受賞したドキュメンタリー「Happy Campers(原題)」の撮影に、Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kデジタルフィルムカメラが使用されたという。監督および撮影監督のエイミー・ニコルソン氏は、同カメラのデュアルネイティブISOを活用して、快晴の日中や夏の夜のシーンをキャプチャーし、Inlet View Campgroundのトレーラーパークのコミュニティを描いた。

「Happy Campers」は、水辺のキャンプ場が開発業者に売却されることを受け、その準備をする労働者階級の夏のコロニーの最後の日々を描いている。錆びついたRV車と素晴らしい夕日を背景にした「Happy Campers」は、ありきたりなトレーラーパークにおける親密なコミュニティというステレオタイプの下にあるものを探る。同作は、アメリカ国内最大のドキュメンタリー映画際であるDOC NYCでプレミア公開され、映画館でも限定公開された。現在同作は、アメリカおよびカナダ国内でビデオ・オン・デマンドで視聴可能。


キャンプファイヤーや花火などのシーンで、作品の20パーセント以上を夜中に撮影したニコルソン監督は、同作にとって、カメラのデュアルネイティブISOが最も重要な要素であったとコメントしている。

ニコルソン監督:照明機材がなかったため、日の出前に起きて、光が撮影に適さなくなるまで撮影しました。それから屋内シーンを撮ったり、午後の遅い時間まで待って、また外のシーンを撮影したりしました。反射板を使う余裕は時間的にも空間的にもなかったので、すべてのシーンは自然な光で撮影しています。常に風が強く、太陽も照りつけ、蚊も数えきれないほどいましたが、Pocket Cinema Camera 4Kのおかげで問題なく撮影できました。

デュアルネイティブISOは素晴らしいですね。カラーコレクションの段階に入ると、エディターのジョン・ヤングと私は、キャンプファイヤーと花火のショットで、ノイズリダクションをわずかな量だけ適用すれば良いことに驚かされました。

Nice Shoesのカラリスト、ジーン・カーリーが素晴らしい仕事をしてくれたことも大きいですが、このカメラのおかげで非常に美しい夜のシーンを撮影できました。

映像を拡大すると、デイリーでは気づかなかったディテールが見えてきました。ある夜のショットでは、ジョンと私で「虫がすべて写っている!」と叫んだのを覚えています。

ニコルソン氏は被写体と一緒に生活しながら、このドキュメンタリーの監督と撮影監督を兼任した。彼女はこれまで5本の映画を監督してきたが、撮影監督を務めたのは「Happy Campers」が初めてだった。

ニコルソン監督:過去にカメラを操作したことがないというのは、キットを選択する上でかなり大きな要素でした。

Pocket Cinema Camera 4Kは設定がわかりやすくでシンプルです。Blackmagic OSのおかげで、驚くほどの速さで設定に慣れることができました。

そして、ネタバレに注意ですが、トレーラーパークでは文字通り時間がなくなっていました。40年分の思い出を数か月という短い期間で把握する必要があったので、時間に余裕はありませんでした。


ニコルソン氏は、Pocket Cinema Camera 4Kのコンパクトなデザインが、監督と撮影監督の役割をまたぐ上で重要だったとコメントしている。

ニコルソン監督:撮影と同時に監督もしていて、この作品を真実味のあるものにしたかったので、カメラが小型であることで、自然な瞬間に友人のように撮影を行うことができました。

私のような初心者にとって、非常に小さいカメラは操作しやすく、被写体にとってフレンドリーでい続けることができました。キットが小さく目立たないほど、親密感のある映像が撮れます。

「Happy Campers」は、コミュニティを非常に親密感のある形で映し出す作品だったので、その場所の雰囲気を変えずに捉えることが極めて重要でした。キャンプ場では全員がとても仲良くしていたので、その感覚を映し出し、物理的にも近くに寄ることで違いを生み出すことができました。

このプロジェクトの形が見えてきて、私が一人で撮影することが明らかになった頃、Pocket Cameraが最適であると気づきました。私はゴツゴツした未舗装道路のあるRV車用のキャンプ場で撮影していました。プロジェクト中はずっとキャンパーに住んでいて、私の撮影オフィスは屋外の小さな倉庫で、作業用テーブルが1つあるだけでした。カメラを含むキットがすべて庭用カートに収まる必要があったので、小さくて管理しやすいカメラが必須でした。シンプルであることが最優先だったんです。

私は、Fストップやフォーカスを調整するよりも、人と話してリラックスしてもらうことがずっと得意です。うちのエディターたちに聞いてみてください。それでも、Resolveで書き出した最初のデイリーをいくつか見た後は、大きな自信を持って撮影に臨めました。センサーは素晴らしく、フィルムのような映像でした。

一人で撮影する場合、音声はとても重要な要素であり、環境に細心の注意を払う必要があるので、意識が常にそちらに引っ張られます。素晴らしい映像が撮れていると確信できたことで、ひとつの心配がなくなりました。

視聴者や同業者は、私が一人で作業したことに驚いています。それが、Pocket Cinema Camera 4Kの強みです。簡単に使える非常に小さく管理しやすいパッケージで、美しいモーションピクチャーを制作できます。

「Happy Campers」が、単なる客観的な映画ではなく、より体験に近い作品になるように、全力を尽くしました。これは感情的な物語で、他の撮影方法であればこの作品を感じることは不可能だったと思います。

「Happy Campers」の詳細はこちら。