アコスタ、今季4度目の表彰台獲得に「求めていたようなレースが出来た」タイヤ内圧の審議もお咎めなし

 GASGASテック3のペドロ・アコスタは、MotoGPインドネシアGPを2位フィニッシュ。本人も求めていたようなレースだったと語った。

 アコスタは3番グリッドからレースをスタート。オープニングラップも3番手で終えると、2周目に前を走るエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)をオーバーテイクし、2番手に浮上して以降は首位を走るホルヘ・マルティン(プラマック)を追った。

 マルティンを追い詰めることこそできなかったものの、大きく引き離されることもなく、アコスタは1.4秒差の2位でチェッカー。MotoGPに昇格して以来4度目の表彰台を獲得した。

 ただ、チェッカー直後にタイヤ内圧違反の疑いで審議対象となったこともあり、表彰台では喜びを爆発させることはなかった。もしペナルティが出れば8~9位まで順位を落とす可能性もあったからだ。幸いお咎めなしの裁定が下ったことで、表彰台ではなくプレスルームで結果を祝うことになった。

 レース後、スチュワード委員会はアコスタに何が起こったのかを次のように説明した。

「レース中にテクニカルディレクターから、アコスタのフロントタイヤの内圧が調査中であるとの連絡があった」

「レース後のテクニカルチェックを終えた結果、スタート時の内圧は適正であり、レース中の空気圧低下は空気漏れによるものであることが判明した」

「テクニカルディレクターは、オフィシャルタイヤサプライヤーとともに、技術規則第2条4.4.9.1に従って規則違反は発生していないと判断した」

 無事に2位が確定したアコスタは、バスティアニーニに詰まった1周半がなければマルティンを攻略することも出来ていたかもしれないと考えているが、なによりフィニッシュすることが大事だと考えていたようだ。

「僕たちが求めていたようなレースが出来たと思う。僕は何としてもフィニッシュしなければならなかったんだ。オーストリアから多くのモノを持ち込んで、それが機能している」

「バスティアニーニの後ろに1周半に渡って抑え込まれたことが影響して、もっと前を目指すことは出来なかった」

「レースでは勝利を夢見たけど、今は表彰台を目指して安定した走りをしなければならない。クラッシュはできなかったよ」

 この結果により、アコスタはポイントランキングで5番手に浮上。ブラッド・ビンダーを上回り、KTM陣営最上位となった。

 来季KTMのファクトリーチームに昇格することがすでに決まっているだけに、アコスタにとってはKTM内の序列も重要な要素だという。

「まだ多くのポイントが獲得できるし、僕たちは良いレースが出来ている。でもKTM内のランキングでトップに立つことを目指さなければならないんだ」

「僕は以前、KTMは遅かれ早かれ、MotoGPに参戦している他のブランドにとって、驚異的な存在になるだろうと言った。僕たちはいろんなポケットに0.1秒を隠し持っているんだ。今日は正しいポケットを開けることができた」