冷蔵庫に入れると黒くなっちゃう「低温障害」はどう判断する?
ほかにも「冷蔵庫に入れない方が良い」といえば、低温障害を起こしがちな食材。バナナやナスなどは聞いたことがありますが、ほかにはどんな食材が低温障害を起こすのでしょうか?
「厳密にはきゅうりやトマトなどの夏野菜、オクラや生姜も低温障害を起こしやすいんです。
芋系も低温障害を起こしやすいですが、同じ根菜類……ニンジンや玉ねぎ・レンコンなども長く冷蔵庫に入れない方が良いですね。たまに人参をずっと冷蔵庫に入れていて黒くなっちゃうことありませんか?あれも低温障害です」(スギ アカツキさん)
想像以上に多すぎて、全部を覚えるのは大変そうです。
「目安になるのは熱帯地方で育つ作物かどうか。とはいえ、細かく覚えるのは大変だと思うので、自分がよく買う野菜について低温障害を起こすかどうかをチェックするだけでも対策になるはずです。低温障害を起こしているということは色が変化するだけでなく劣化もしていますから。人参をよく買う方であれば、大量に大きな袋入りを買うのではなくこまめに買い足すようにしてくださいね」(スギ アカツキさん)
目安としては、夏から秋にかけてのシーズンは、まとめ買いするとしても1週間で使い切れる分ぐらいにした方が良いとのこと。お店よりも自宅の方が保存環境が良いことは基本的にはありえないですから、新鮮で美味しいものを食べるためにはできるだけこまめに買い足すのが良いのですね。
スギ アカツキさん
食文化研究家、スーパーマーケット研究家。
東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを幅広く学ぶ。在院中に方針転換、研究の世界から飛び出し、TV、ラジオ、雑誌、ウェブなどの各種メディアで活躍中。国内外の食情報にも詳しく、食テーマについてのやさしく、わかりやすい説明に定評がある。
文・撮影/松本果歩