受験生に長距離ドライバーの他、夜勤の仕事の勤しむ人々にとって大敵となるのが眠気。各々が対策を講じていると思うが、そんな努力を嘲笑うかのように、眠気は執拗に誘惑を続けてくる。

現在X上では、眠気対策の代名詞・ミント飴の「恐ろしすぎる魔改造」が話題となっているのをご存知だろうか。

 
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■一見普通の「ミント飴」だが…

ことの発端は9月28日、東京の浅草に店舗を構える「浅草 飴屋」のXアカウントが投稿した1件のポスト。

こちらの投稿には店頭に並んだ「ミント飴」の写真が添えられており、POPを見ると、そこには「10倍ストロングミント飴」なる商品名、そして「涙が止まらず、味覚が飛びます。徹夜専用飴です」という、目を疑う紹介文が記されていたのだ。

ポスト本文には「最強に辛い徹夜専用飴！ マスクをすれば涙が止まらず、水を飲めばキンキンに冷えた水に感じられる、ひたすら苦い強烈デスミント飴」「作るのが大変なので製造したくないのですが、何故かこればかり購入して頂ける方がいるので仕方なく。結晶のハッカと粉末ミントをあふれる程投入」と、これまたパンチの効いたフレーズが並んでいる。

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■「デスミント」に魅せられる人続出

「10倍ストロング」「徹夜専用飴」「強烈デスミント飴」など、不穏すぎるフレーズのオンパレード。しかし、我われ人類は「やめろ」と言われると余計に気になってしまう、愚かな生き物なのだ…。

味覚を大いに刺激するミント飴には、好奇心をも刺激する作用があった模様。件のポストは投稿から3日足らずで、2万件近くものリポストを記録するほど話題に。

Xユーザーからは「『ひたすら苦い強烈デスミント飴』という語感がものすごく良すぎて痺れる」「仕事中の眠気覚ましに良いかと思ったけど、涙が止まらないのは困る！」「コーヒーより断然効果ありそう」「デスミントは面白すぎる「ミント好きにはたまらない朗報」など、驚きと称賛の声が多数寄せられている。

そこで今回は、あまりに危険すぎるミント飴の詳細について「浅草 飴屋」に詳しい話を聞いてみることに。すると「デスミント」の存在に匹敵する、衝撃の事実が多数明らかになったのだ…。

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■誕生の経緯、やはりイカれていた

「浅草 飴屋」の特徴について、同店店主は「浅草花やしき通りにある、1人で製造販売している小さなお店です。どこにも卸してない、浅草ならではのお店です」「少量なので、お客様から色々なお話を聞いてニッチな飴を製造しています」と説明する。

今回話題となった「10倍ストロングミント飴」誕生の経緯については、「看護師の方に『ミントの強い飴を作ってほしい』とリクエストを頂き、ミントの量にダメ出しを受けたため、2倍、4倍、6倍、8倍、10倍…とニーズに応えて倍増していったのが、製造のきっかけです」と、思わず耳を疑うようなエピソードが登場。

2012年頃にはまだ「ミント量2倍」だったため、約10年で「10倍」への進化を遂げたワケだ。それにしてもこの店主、ノリノリである。

その特徴について、店主は「基本の（1倍）ミント飴は、甘さとミントの清涼感があって美味しいです」「ミント量の倍増に関しては元々、結晶のハッカを倍にしただけだったのですが、4倍からは粉末のミントを練り込み、より複雑な辛さも増やしました。10倍は飴に練り込める限界の量なので、これ以上のものは製造できません」とも説明していた。

つまり「10倍ストロングミント飴」は、神が「これ以上進んではいけない」と警告を鳴らすレベル、言わば人間がギリギリ辿り着ける「ミント飴の臨界点」なのだ。常人がこの先に踏み込んだら、無事ではいられないだろう…。

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■その他ラインナップもクセが強すぎる…

そんな「10倍ストロングミント飴」の主な購入者は看護師、漫画家、受験生、ドライバー。納得の顔ぶれである…。

店主は「大量に購入して頂けるため、店頭では余った分を少量販売しています」「リピーターの方は、夜勤や仕事が忙しいという方が多いようです」とも補足していた。

なお、同店では「10倍ストロングミント飴」の他にもトマト飴、コーンポタージュ飴、みたらし団子飴、パクチー飴、豚骨ラーメン飴、味噌汁飴、納豆飴カラシ入り、えびせん飴、梅昆布飴、梅酒飴アルコール入り、ビーフカレー飴など、個性的な製品を多数取り扱っており、既存の「飴」という概念を粉々にぶち壊してくれる。

もちろんイロモノだけでなく、らむね飴、ベッコウ飴、あまおう苺飴といったスタンダードな商品も揃っているので、安心してほしい。

今回注目が集まった件について、店主からは「全ての飴は試食できるので、ぜひ浅草においでの際は実際に食べてみて、お友達や会社の方々へのお土産として、コミニケーションの話の種と美味しさを体感してほしいです！」とのコメントが得られているので、気になる人は足を運んでみよう。

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■執筆者プロフィール

秋山はじめ：1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X（旧・ツイッター）を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉（浦和）や、蒲田などのローカルネタにも精通。

（取材・文／Sirabee 編集部・秋山 はじめ）