●紀美の焼き鳥は女将さんが串打ちして焼き上げる
カウンターに座れたので、串打ち中の女将さんとの会話を楽しむ。鶏肉の仕入れ価格がずいぶん上昇していること、それでも国産鶏にこだわっていること、女将さんもお酒が大好きだということ、客を大切にしていること。笑顔で話してくれている最中も手際よく串打ちが進む。
串打ちした焼き鳥は大きめの焼き台で焼き上げる。店内は混み合っている上、お土産注文も多く、大量の焼き鳥をリズミカルにさばく姿に惚れぼれ。うちの祖母も使っていたぶっとい菜箸がノスタルジア。
紀美の焼き鳥の味付けは塩かタレを選ぶことができるが、ほとんどの客は「タレ」を選ぶ。醤油をベースに甘さを抑え、強めにニンニクが香るタレが紀美の特徴。このニンニクダレで焼いた焼き鳥が食べたくて通うのだ。
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●いよいよ焼き鳥を食す
焼き鳥は、始めに食べたい串をまとめて注文すると皿盛りにして出される。これにより、サクッと飲んで気持ちよく帰ることができる。焼き上がりを見ると、部位によって焼き加減を変えているのが分かる。かしらとタンは軽く焦げ目がつくまで焼かれ、こにく(せせり)とねぎまは焦がさないように焼かれている。大きな焼き台で、このテクをサラッとやってのける女将さんに感服。
朝仕入れたばかりの肉はジューシーで柔らかい。カラメのニンニクダレが鶏の旨味と甘みを引き立てる。何よりニンニクの香りがたまらなくヤミツキになるのだ。ハイボールをお代わりしながら熱いうちに夢中で食べる。
今回は売り切れで食べることができなかった「レバー」は前回訪問時の写真。角が立った美しき姿。