お笑い芸人のケンドーコバヤシが全国のビジネスホテルを訪れ、その街をブラブラしながら居酒屋を楽しむテレビ番組『ケンコバのほろ酔いビジホ泊 全国版』(BS朝日)。「ビジネスホテル」に注目したBSならではの番組にも関わらず、放送開始から大きな話題を呼んでいる。そんな『ほろ酔いビジホ泊』が、今年の10月で放送開始から1年を迎える。それを記念して、ケンドーコバヤシに番組開始の裏話や近年のビジホブーム、番組の今後について聞いた。(前後編の前編)
まさか中村雅俊さんが見てるとは思わなかった
──番組開始1周年、おめでとうございます!
ケンドーコバヤシ(以下同) ありがとうございます。ちょっと寝ながらリラックスしててすんません。
──(笑)。せっかくのビジホですし。番組、芸能人の方でもファンが多いと聞きました。すごい反響ですよね。
まさか(俳優の)中村雅俊さんまで見てくれてるとは思わなかったですね。お会いしたときに「ケンコバくんは楽しい仕事をしてるねえ」ってご本人から言われて。
中村さんもBS朝日で『あなたの知らない京都旅』っていう番組をやってらっしゃるので、「京都の番組はどうですか」って聞いたら、15分ぐらい京都の豆知識を教えてくれましたよ。
「スタジオに入ってください」ってスタッフから声がかかってたときもまだ話してて、こっちがドキドキしましたね。
──中村雅俊さんも見るぐらい、世間のビジネスホテルに対する関心が高まってるのかもしれません。
ですよね。大手ビジホもグッズを出して売れたりしていて、信じられない。ホテルのグッズが売れるなんて、ペニンシュラとかそんな世界のことでしたからね。
ドーミーインのマークが入ったタオルセットとか、公式キャラクターの「ドーミーいんこ」のグッズとかね。
──ドーミーイン、すごいですよね。
いや、すごいですよ。俺は地方ロケのとき、ドーミーインに泊まることが多かったんですけど、最近は予約が取れなかった、って報告が多い。
昔は、泊まれたらなんでもいいっていう感覚やったじゃないですか。でも、今はリゾートホテルに負けないぐらいのサービスが充実したビジネスホテルもありますからね。
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脱力を喜んでもらえるなら、いくらでも抜けますよ
──そもそも、この番組の企画が来たときどう思われました?
最初は、俺も普段のロケ番組みたいなテンションと気合いでスタートしたんですよ。そしたら、スタッフが「いや、なんかそういうのじゃないです」って感じで。ちょっと恥ずかしかったです。袖まくって行ったんで。
──カラ回りしているというか。
そうなんですよ。だから最初の2、3回は不安もありましたね。これでええんかなと。汗かいてない感じというか。
まあ、その分、サウナで汗かいてるんですけど。でも、結果それがよかったよなって今は思います。
──みんな、力が抜けてるケンコバさんを見たかったところもあるんですかね。
どうなんすかね……。逆に、そんなに力んでる現場もあんまないんですけど、よくよく考えてみたら(笑)。
まあ、脱力を喜んでもらえるなら、いくらでも抜けますよ。快楽を感じた方が長生きできるやろ、と思う。
──力が抜けているといえば、番組名物のひとつがビジホにある大浴場やサウナを楽しむシーンですよね。いつもサウナ・水風呂・外気浴の1セットを3セット分、本気でされていて、とても自然体です。
撮影スケジュールやホテルの営業時間の都合で、本気で入れないときは寂しいですね。1セットで終わったときは、本当に切ない。
3セット後のビールはやっぱりうまいですからね。お医者さんが聞いたら1番怒るでしょうけどね。「水飲め!」って。
でも、最初にビールを入れるときのあの快感ね。快楽を感じた方が長生きできるやろ、と思う。
──随所にケンコバさんの「快楽」があふれてる番組ですよね。
どこかのホテルで、部屋にホテルサービスのマッサージを呼んだこともありましたね。
──(笑)。番組ではいろんなビジホが登場しますが、これまで行ったビジホで、印象に残っているところはありますか?
第1回目で行った大阪・新世界の「ホテルサンプラザ」はインパクトが強かったですね。畳に自分で布団を敷いて寝るっていう。
すごかったですよね。朝倉未来が少年院に行くロケと同じ絵面でしたからね。
でも、めっちゃいいホテルなんですよ。最上階にはお風呂も付いてて安いし、難波にも天王寺にもアクセスが近い。大阪に行くときはおすすめです。