悪い予想が的中? スタッフ流出続くレッドブル。チーム崩壊警告していたフェルスタッペン父「今の状況は良くない」

 ヨス・フェルスタッペンは、今季開幕前に訴えていたようなレッドブルF1チームの”崩壊”が、今まさに起こっていると考えている。

 レッドブルはここ最近、主要な人材がチームから続々と離脱している。伝説的なデザイナーであるエイドリアン・ニューウェイを始め、長年チームを支えてきたスポーティングディレクターのジョナサン・ウィートリー、チーフストラテジストのウィル・コートネイといった重鎮が、他チームへの移籍を決めたのだ。

 コートネイはレッドブルに20年以上在籍しており、チームがまだジャガーの名で戦っていた頃に加入していた古株だ。

 元F1ドライバーで、マックス・フェルスタッペンの父であるヨス・フェルスタッペンは今季開幕前、女性従業員に対する不適切問題が浮上したクリスチャン・ホーナー代表が続投する限り、「チームがバラバラになる危険性がある」と主張していた。

 当時、彼は『Daily Mail』紙の取材に応じ、ホーナー代表が「ポジションにとどまっている間、ここには緊張感がある」と語り、次のように続けた。

「チームがバラバラになる危険性がある。今のままではいけない。爆発してしまう。問題を引き起こしているのは彼なのに、彼は被害者ぶっている」

 この一件については、調査の結果ホーナー代表は潔白だとされており、当事者である女性従業員はFIAに不服申立てを行なったが、これも却下されている。

 先週末、イースト・ベルギー・ラリーを訪れていた際にコートネイ離脱のニュースに触れたヨス・フェルスタッペンは、motorsport.comに次のように語った。

「そう、これは私が警告していたことなんだ」

「チームはこう言うだろう。『ああ、問題はないよ。我々には他に(そのポジションにつける)人がいるんだから』とね」

「でも、今は(離脱する)人が多すぎる。マックスは毎回そのことについて質問されるしね。だから、今の状況は良くないと思う」

 ホーナー代表は、レッドブルにはスタッフの離脱に対処できるだけの戦力があると何度も語っている。

 しかしヨス・フェルスタッペンは「彼(ホーナー代表)はいつもそれをごまかす」と一蹴した。

 コース上でのレッドブルの状況が良くないことも、チームの屋台骨が揺らいでいる印象を強めている要素だろう。

 フェルスタッペンは2024年のシーズン開幕から10戦中7勝を挙げたものの、現在は8戦未勝利と、その勢いがぱったりと止まってしまった。セルジオ・ペレスも全く調子が上がらず。アゼルバイジャンGPでは、対照的に調子を上げてきたマクラーレンがコンストラクターズランキングでレッドブルを逆転し、首位に浮上した。

 さらに、前戦シンガポールGPではランド・ノリス(マクラーレン)が以前のフェルスタッペンを彷彿とさせるような圧勝ぶりを見せた。現状ドライバーズランキングでは、フェルスタッペンがノリスに対して52ポイントのリードを築いているものの、ノリスは大逆転を可能にするだけの勢いを見せている。

 約1ヵ月の秋休みをはさみ10月18日~20日のアメリカGPでシーズンは再開する。シーズン終盤戦でレッドブルが復活できなければ、チームの崩壊はさらに進んでしまうかもしれない。