会社を出た瞬間、「やっぱり一度戻ろうかな」とも考えたが、なにせ私(あひるねこ)は急いでいた。大袈裟ではなく、1分1秒を争う状況だったのだ。
なのに……どうして……なぜこんな時に……ドラマか映画の撮影現場に出くわすんだよ!
何となく嫌な予感はしたのだが、これにより私は今年最大級のピンチを迎えることになる。
・悲劇の始まり
会社から帰宅する時、私は本数は少ないがもっとも速い中央特快に必ず乗りたい。快速、お前じゃダメだ。乗り換えが面倒だし、夕方だと子供の保育園のお迎え時間に間に合わん。
つまり、私に中央特快に乗らないという選択肢は存在しないのである!
しかしこの日は、いつもより会社を出るのが遅くなってしまった。急げばギリギリ間に合うか? という際どい状況。私も焦っていたのだろう。階段を駆け下りている時、ようやく気付いたのだ。自身の猛烈な尿意に。
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・大ピンチ
しまった、いったん戻ろうかな……いやダメだ! そんな時間はない!! 駅まで行く途中の建物内にトイレがあるから、そこで済まそう。
ところがその数分後……!
「すいません! 今そこで撮影をしてまして、映り込んでしまうので1分ほどお待ちください!!」