北陸を拠点としたクリエイティブ活動の魅力とは?北陸放送機器展に来場したクリエイターに聞く Vol.21 [北陸放送機器展2024]

倉本浩幸さん(KURAMOTO Studios)


富山をクリエイティブ活動の軸にする利点を教えてください。

僕の場合ほとんど撮影以外では外に出ないで、家で編集が中心の業務を行っています。逆に言えば場所を選ばないと思っています。仕事の案件は人づてが中心です。大学が富山だったのですが、そのまま富山に拠点を構えている状態で、大学の頃にできた縁から今が形成されている状態です。特に移転する意味を感じていません。

富山の環境がクリエイティブにプラスとなるようなことがあれば教えてください。

富山は、環境に恵まれています。具体的にはドローンが飛ばしやすい。多分東京だったらそうはいかないと思います。景色もいいですし、ロケーションという意味では大変潤沢な環境なんじゃないですかね。

また、北陸はけっして人口が多くはないかもしれません。映像制作に関わる人たちは少しずつ増えてきていますが、映像制作の土壌が仕上がっているわけではありません。「ここから俺、新しくやれるかもしれない」という可能性を感じながら、皆さんワクワクしながらやっている感じがします。

だから、映像制作には前例がないことが多いです。なので、逆にのびのびできるのではないかと思っています。しがらみみたいなのも少ないような感じもするし、僕みたいな新米のような人間も活躍の場所がある。ガチガチな縦社会っていうわけでもないし、そういう意味では広い土地と相まって、のびのびと活躍することが可能だと思ってやっています。

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森裕太さん(Wally)


プロフィール

富山の映像作家。WebCMやTVCMを製作する傍ら、ミニチュア風に富山の風景を切り取る映像作品「じおらま富山。」ではSNSで6万人のフォロワーを獲得し、海外のアートイベントへの映像作品出展など国外でも活躍している。

富山で活動されるようになったきっかけを教えてください

地元が富山で大学時代は県外にいましたが、また富山に戻ってきました。富山でやれる面白さって、クリエイターとして活動したらすぐ同業者とつながりができる。若い頃から生え抜きのクリエイター的な人とすぐにつながることができて、飲みに行ったりできる。ある種ブルーオーシャン。頑張ったらすぐそういう人たちと繋がれる環境がモチベーションになったり勉強になったりしています。

あと、いい意味で母数が少ない。チャンスをつかもうとしても、母数が多すぎると全然掴めません。もちろん、絶対的な実力をもつことも大事だと思いますが、それ以上に富山の方がチャンス巡ってくるのではないかなって感じますね。

富山でのクリエイティブ活動で、どのようなところで利点と感じることがありますか?

環境です。富山というと、イナガキヤスト(稲垣泰人)さんという写真家の方が有名です。イナガキさんは、街と山の距離が近い、望遠レンズの圧縮効果の表現を特徴とした写真家として大成されました。

そういう富山のローカルの良さと、クリエイティブの切り取るみたいなところをイナガキさんから学びました。富山はミニチュア風の撮影と相性がいいです。ポジティブな効果がある環境なのかなと思いました。

本城直季さんの都会の作品は、今まで多くの人たちが見てきたと思います。アオリの表現をローカルの富山で表現する面白さを感じながら製作しています。海外からも映像の展示の依頼があり、今年の11月にサンフランシスコのアートイベントで映像作品を展示する運びになりました。

あと、ご飯はうまいですね。仕事終わった後、飲んだりするのですけど、やっぱ基本的においしいです。県外からお客さんが来られた時とかにも美味しい店に行って、ご飯とともにクリエイティブな会話ができるのは、富山ならではじゃないかなと思います。