48歳、人生の折り返しを過ぎて「結婚」を目標に婚活を始めた漫画家・中川学が描く漫画『婚マン 独りで死ぬのはイヤだ』。年収200万円、身銭を切ってマッチングアプリに登録して、初めて女性とリアルで会うことに…。慣れないイタリアンで中川氏を待ち受けていた修羅場とは…。
年収200万円で身銭切ってマッチングアプリを
――中川さんは48歳で婚活マッチングアプリを始めましたが、いい出会いはありました
か?
中川学(以下同) 今のところ23人とマッチして、5人と会いました。いい出会いがあったかどうかは、漫画を読んでいただけると幸いです。
――たいへん失礼ながら、中川さんのスペックで「会って話しましょう」という女性は、どんな方ですか?
あくまで私個人の体験談になりますが、気持ち的に「なにがなんでも結婚しなければ!」と焦っている女性は、あまりいない気がします。
私は大体同世代(40代中盤から50歳ぐらい)の方々とやり取りさせていただいているのですが、彼女たちはプロフィールや自己紹介文を見るに、「婚活は、人生の後半戦を互いにフォローしあえる仲間兼茶飲み友だち探し」と、若干ライトに捉えているように感じます(「茶飲み友だち」はライトすぎるか)。
だからこそ、私のような者とも一応会って話をしてくれるのではないでしょうか。
――漫画の1話目を配信した際には、ヤフコメには「このスペックだとスタートラインにたどり着くのも難しい。もし若い女性が釣れたら詐欺師を疑ったほうがいい」という辛辣な意見もありました。
確かにマッチングの段階で詐欺っぽい人は何人もいました。
マッチした23人中10人は怪しかったですね。アプリを始めてすぐの頃は、右も左も分からなかったので、「いいね!」をされたら誰彼かまわずホイホイとマッチングしていました。
若くてモデルみたいなスタイルの美女は、十中八九詐欺ですね。
メッセージ上で詐欺師(おそらく国際ロマンス詐欺の外国人男性)に説教したことがあります。
「まともな仕事をしろ。こんなくだらないことをしていては人生のムダだよ」と。モテないおっさんが詐欺師に説教……かっこいい登場人物ゼロ。
――ほかにも「きっとマンガのネタ作りのつもりの企画なんだろうな。……婚活費用は経費で落とす気かな、やっぱり。ビンボーでもアーティストはモテることもある。陶芸家とか画家とか音楽家とか、低収入でも一応プロなら寄ってくる女性はいたりする。そこがウリであり救いか?」という意見もありました。
完全に自腹でやってます。年収200万円で身銭を切ってやっています。死にそうです(笑) 編集部さん、今後は取材経費として出してもらえないでしょうか?
あと、「お嫁さん募集企画」やってほしい……。ビンボーなバンドマンはめちゃめちゃモテるイメージありますけど、ビンボーな漫画家はまったくモテないですね。いや、漫画家というか、ボクがモテないです。
――それほど真剣に婚活に取り組むと疲れてしまうこともあるのでは?
疲れます。そして、よく挫けます。「結婚、やっぱりムリか……」と思うときもよくあります。でも、パートナーがいたほうが、人生がより豊かになる気がするので、諦めずに活動しています。