NASCAR、大型ハリケーンの被災者支援に尽力。関係者所有のヘリコプターも大活躍

 先週末、アメリカ南東部を襲った大型ハリケーン「Helene」(ヘレネまたはヘリーンとも)は死者120人以上、約200万世帯で停電と大きな傷跡を残した。今、NASCAR界は、ハリケーンの被害に遭った人々を支援するために結集している。

 カテゴリー4のハリケーンとしてHeleneがフロリダに上陸したことで、数千人が避難を強いられ、数百人が行方不明、120人以上が死亡した。特にノースカロライナ州西部とテネシー州東部の山岳地帯では記録的な洪水が発生し、地域社会全体が壊滅的な打撃を受けた。

 ハリケーンが接近した際、ノースカロライナ州のシャーロット・モータースピードウェイとテネシー州のブリストル・モータースピードウェイは、嵐から逃れるためにキャンプ場を開放した。

 また23XIレーシングの共同オーナーであるマイケル・ジョーダン(バスケの神様と称されるあのジョーダン本人だ)は、NASCAR業界の多くの本拠地であるノースカロライナ州全体の救援活動を支援するため、100万ドル(約1億4000万円)を寄付することを発表した。

 チームからのリリースは以下の通りだ。

「ハリケーンの被害で苦しんでいるすべての人に心からお見舞い申し上げます」

「23XIレーシングと私は、ノースカロライナ災害救援基金とセカンド・ハーベスト・オブ・メトロリナ(フードバンク)を支援し、被災者の生活再建と希望回復を支援し、被災者が必要な支援を受けられるようにすることを光栄に思う。復興には長い時間がかかるだろうが、誇り高きノースカロライナ人として、我々が故郷と呼ぶこの州の人々の強さと回復力を肌で感じている」

 レースショップ「AirSpeed」では10月1日から10月4日の間、寄付の受け付けがされている。水や粉ミルク、日焼け止め、赤ちゃん用おしりふき、虫除けスプレー、救急箱、歯ブラシ・歯磨き粉、生理用品、電池、消臭剤といった物資が募集されている。

■自家用ヘリコプターで物資を届ける

 NASCARのカップシリーズで計19勝をマークしたグレッグ・ビッフルは、被災地に援助や物資を届けるため、自身のヘリコプターを活用している。

 ビッフルは、彼の活動をサポートするポラリス社やスペースX、スターリンクに感謝するビデオを投稿。500個のスターリンクキットが送られ、携帯電話もインターネットも使えなくなった地域に情報網を再構築することができた。彼はソーシャルメディア上で、その取り組みを積極的に記録している。

 ヘンドリック・モータースポーツとジョー・ギブス・レーシングのヘリコプターも同様の目的で使用されている。ジョー・ギブス・レーシングは火曜日の早朝まで、箱詰めの非生鮮食料と防水シートを集めて寄付活動を行なった。

 チームの代表がmotorsport.comに語ったところによると、従業員や地元コミュニティが集めた水、食料、ベビー用品、ペットフードなどを満載し現地に送ったという。火曜日には2万2000ボトル以上の水を輸送したようだ。

 カウリグ・レーシングは物資を集め、ノースカロライナ州ウェルカムにあるレースショップに寄付金を届けるよう呼びかけている。

 トラックハウス・レーシングの共同オーナーであるジャスティン・マークスも、チームのパートナーであり災害時の人道的特殊オペレーターを訓練・派遣するエアリアル・リカバリーの写真を投稿。現地で活動を行なっているようだ。

 ノース・ウィルクスボロ・スピードウェイは、今週末のウィーレン・モディファイド・レースを延期し、代わりに被災地で緊急に必要とされている物品を集めるためにトラックを使用。

 さらに他にもいくつかのサーキットや団体が、支援を希望する人々のために水や衛生品、食料品などの寄付を受け付けている。