〈石破内閣本格始動も…〉ゴリ推し“お友達人事”で早くも四面楚歌!  自民議員は「”冷や飯”時代の反動が露骨すぎ」「自分を裏切っていった人間は許さない」

 周囲に集まる議員や記者はわずか、毎週水曜日昼に、タバコ2本分の「ぼやき」

こうした、これまで主流派だった党ベテランへの意趣返しのような人事の背景には、石破氏が長らく党内で「冷や飯」組に置かれていたことがある。

自民党の各派閥はこれまで毎週木曜日の昼に会合を開き、それぞれの派閥のメンバー数十人に加え、各社の番記者十数人も集まっていた。

一方、石破氏のグループは派閥ではないため、木曜ではなく毎週水曜日の昼に会合を開いてきたが、その光景は寂しいものだった。

「集まる番記者は、石破氏の地元のメディアの記者や、『たまたま予定が空いていたから』という記者数人のみ。国会議員も、石破氏の地元である鳥取県選出の議員を中心に数人のみで、まるで『自民党鳥取県連』の会合のようでした。

そして会合を終えた後、石破氏が喫煙室で紙タバコ2本を吸う間のぼやきを記者3、4人で聞く、というのがおなじみの光景でした」(全国紙政治部記者)

他派閥では、派閥の会合で議員と同じ高級弁当が番記者に振舞われることも多かったが、石破グループでは、番記者を不憫に思った所属議員がコンビニのおにぎりを配っていたという。

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麻生氏・茂木氏の「裏切り者」は重用も、自身の「裏切り者」は無役に 

こうした「冷や飯」生活に加え、石破氏自身が「飲み会をするよりも本を読みたい」と語るほど人付き合いにドライなこともあり、石破グループのメンバーは年々減っていった。

その中には岸田派に移った田村憲久氏や、今回の総裁選で小泉進次郎氏についた齋藤健氏、加藤勝信氏の推薦人となった山下貴司氏など、政策通も多くいた。

しかし、彼らは組閣・党役員人事で重要ポジションに登用されることはなかった。一方で、何度も自身の推薦人となってきた村上誠一郎氏、赤澤亮正氏らは入閣を果たした。

「麻生氏や茂木氏の『裏切り者』や自身の数少ない仲間は積極的に登用する一方、『自分を裏切っていった人間は許さない』という思いがみてとれます。露骨な『お友達人事』に党内は早くも不満タラタラで、石破氏は四面楚歌です」(自民党関係者)

それでも政権を維持していくためには、国民世論を味方につけることが必須だ。しかし、石破政権は国民からも「四面楚歌」状態に置かれてしまうかもしれない。

「総裁選中に述べていた『予算委員会で、政権は何を目指すか示したうえで国民に信を問うべきだ』という発言を早くも覆し、予算委を開かず衆院を解散する方針を明らかにしました。党内だけでなく、国民からもそっぽを向かれてしまっては、痛い目を見るのでは……」(同前)

総裁選当日、「勇気と真心をもって真実を語る自民党を作っていく」と決意を述べた石破氏。再び「冷や飯」食いの憂き目をみることなく、自民党を再生させることができるか。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班