アストンマーティン、今や常勝軍団マクラーレンの“慎重な”アプデ計画に注目「検証しないのは愚かなこと」

 アストンマーティンは、マクラーレンのアップデート開発アプローチがF1での成功における重要な要因になっているかどうか調査しないのは「愚か」だと考えている。

 マクラーレンは今季、マシン開発プログラムの進め方でライバルの逆を行った。何度も大幅なアップデートを施してマシンのパフォーマンス向上を図るのではなく、マイアミGPで初めて投入されたフロアを徹底して使用した。

 基盤となる既存のパッケージがあることで、マクラーレンは週末ごとにMCL38を常勝マシンへと最適化することに集中できる。

 こうしたマクラーレンのアプローチは、アストンマーティンやフェラーリ、レッドブル、メルセデスのように、フロア改良によってマシンバランスやパフォーマンスに問題を抱えるようになったライバルとは対照的だ。

 そしてエミリア・ロマーニャGPでのアップデートをキッカケに好調さを失ったアストンマーティンは、マクラーレンのやり方は真似するに値するかどうか、調査する必要があると示唆した。

 アストンマーティンのチーム代表を務めるマイク・クラックは、典型的な大規模アップデートではなく、より細かな微調整によってパフォーマンスが向上する可能性があると語った。

「我々はこのことをよく見ている」とクラック代表は言う。

「ペースを比較し、いつ彼ら(マクラーレン)が一歩前進したかを確認し、全体像は見えていなかったが、アップデートと公表されているいくつかの新パーツを関連付けることができる。『これが変更されたことで、潜在的に何が変わったのか』と言えるような相関関係がある」

「例えばザントフールトでのアップデートを見ると、(変更点は)ここが少し、あそこが少し、という感じだ。今のF1マシンがどれだけ精巧で複雑になっているかが分かるはずだ。それを見ないのは愚かなことだと思う」

 クラック代表は、メルセデスのような他のチームもマシンのパフォーマンスを引き出すことに成功していることから、アストンマーティンもマシンバランスを上手く取れるようになれば、一歩前進できるはずだとの考えを示した。

「シーズン序盤のレースではメルセデスと互角だったが、その後彼らは優勝した」とクラック代表は言う。

「クルマが安定し、ドライバーたちが望むような挙動を示すようになれば、このレギュレーション下で大きなステップを踏むことは可能なのだ」

「以前のような純粋なダウンフォース競争はない。本当に難しいのは、安定性を得ること以上に、バランスとダウンフォースを両立させることだ」