10月2日、東京都の浅草寺にてMotoGP日本GPのプレイベント「MotoGP in Tokyo」が開催された。
2024年のMotoGP日本GPは4日からモビリティリゾートもてぎで開幕を迎える予定。今年はその開催に先駆け、豪華なプレイベントが行なわれた。
イベントは浅草寺本堂にライダーを招いての安全祈願に始まり、その後は多数集まったファン達を前にトークショーが行なわれた。
今回参加したのは最高峰となるMotoGPクラスから、現チャンピオンであるフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)の他、ジョアン・ミル(レプソル・ホンダ)、ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)、ブラッド・ビンダー(KTM)、アウグスト・フェルナンデス(GASGAS)、マーベリック・ビニャーレス(アプリリア)、アレックス・マルケス(グレシーニ)、フランコ・モルビデリ(プラマック)と豪華なラインアップ。また当然ながら母国戦を迎えている日本人ライダーの中上貴晶(LCRホンダ)も参加した。
Moto2からはランキング首位で注目を集める小椋藍(MT Helmets-MSI)、佐々木歩夢(Yamaha VR46 Master Camp)、マリオ・アジ(IDEMITSU Honda Team Asia)、Moto3から山中琉聖(MT Helmets-MSI)、鈴木竜生(Liqui Moly Husqvarna Intact)、古里太陽(Honda Team Asia)、タッチャコーン・プアシー(IDEMITSU Honda Team Asia)らが参加した。
さらに運営のドルナからはカルメロ・エスペレータCEOをはじめとする幹部、そして日本の省庁からはオリンピック金メダリストで現在はスポーツ庁の室伏広治長官も出席した。
厳かな雰囲気に包まれる祈祷では、西洋圏のライダーが若干戸惑う雰囲気もあったものの、週末の日本GPに向けて祈願が滞りなく行なわれた。
その後ライダー達は付近に設置された特設ステージに集結。午前中からこのイベントを待っていたという熱心な方など、大勢のファンを前にセレモニーを行なった。
このセレモニーでは、室伏長官も挨拶に立ち、世界最高峰のバイクレースであるMotoGPをはじめとしたモータースポーツ振興にも取り組んで行きたいと語った。
「スポーツ庁の室伏です。本日、MotoGP in Tokyo、大勢のグランプリライダーが集まる貴重なイベントが開催されますこと、 スポーツ庁を代表してお喜び申し上げます」
「レースプロモーターをはじめ、ライダー、チーム関係者の皆様、そして世界中のモータースポーツファンの皆様、ようこそお越しいただきました。心より歓迎致します」
「MotoGPは世界最高峰の2輪レースであり、出場するライダーたちは卓越した技術と精神力を持ち、 常に限界に挑み続けています。この日本GPは、世界中から注目を集める大変重要なレースであり、 私たち日本のモータースポーツ文化をさらに発展させる場として考えております」
「また、本レースの舞台でもありますモビリティリゾートもてぎは、自然豊かな環境に囲まれたテクニカルなコースで知られ、 世界中のライダーやファンに愛されているサーキットとなります。ここでのレースが素晴らしいものとなることを心から期待しております」
「参加ライダー、チーム、そしてスタッフの皆様が最高のパフォーマンスで大会を終えることができますよう心より祈念するとともに、MotoGPがファンの皆様にとって最高の思い出になり、さらなるモータースポーツの発展の契機となることを信じております」
「今年はパリオリンピック、パラリンピックが開催されましたが、大きな盛り上がりを見せました。 より一層スポーツに注目が集まっています」
「この機を捉え、モータースポーツの振興にもしっかりと積極的に取り組んでまいりたいと思っております。最後に、本レースの開催に向けてご尽力された主催者の皆様、関係者の皆様に心から敬意を表しますとともに、 参加されるライダー及びチーム関係者の皆様のご検討と本ベースのご成功を記念しまして、私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました」
その後は鏡開きが行なわれ、日本GPに向けてさらに各ライダーは集まったファンの前でのトークショーに参加。ファンからの熱い声援の中、日本に来て行なったことや、好きな日本食といった内容が口々に語られた。
なお変わったところでは、今年夏に挙式したばかりのバニャイヤが、オフシーズンには「ハネムーンで日本へ訪れたい」と語っていた。
また今年がシーズンフル参戦ライダーとしては最後の日本GPとなる中上は、”やりきった形”を残したいと語った。
「来期(ホンダのMotoGP開発ライダーとなることが)決まったという形で、フルライダーとしてはこの2024年末で終えることになりました。全くバイクに乗らないとか、GPバイクに乗らないっていうわけではないですが、来期以降は違う形に変わります」
「今週末の日本GP、母国のグランプリはフル参戦ライダーとしては最後の週末となるので、自分自身寂しい気持ちはもちろんありつつ、 やりきりたいという気持ちもあります。今は気持ちの変化っていうのはなく、良い気持ちでいますし、自分自身の中で”やりきった”という形を残したいです」
そしてMoto2クラスのタイトル獲得に向けてプッシュしている小椋は、2年前には優勝した母国戦に向け、こう意気込んだ。
「今、自分はチャンピオンシップのポイント的にリーダーっていう立場です。残り(レース)も少なくなってきましたし、自分の目標のタイトル獲得に向けて良いレースができるように今週末しっかり走っていければと思うので、応援よろしくお願いします」
MotoGP in Tokyoは大声援の中で終了。週末のMotoGP日本GP開催に向けて、勢いをつけるキックオフイベントとなった。安全祈願のご利益で、今週末はノーアクシデントの熱いバトルが繰り広げられることを期待したい。