アルピーヌF1でチーム代表を務めるオリバー・オークスは、組織に変化をもたらすためには忍耐を学ぶ必要があると認めた。
今年のサマーブレイク明けからアルピーヌを率いることとなったオークス代表。グリッド上位へチームを押し上げることを目指しているものの、一朝一夕に成功が訪れるわけではないとすぐに理解したという。
ハイテック創設者としてジュニアフォーミュラで成功を収めたオークス代表とはいえ、巨大なF1組織で舵を取るのは全く別次元の話だ。
「大きな仕事であることは引き受ける前から分かっていた」とオークス代表は言う。
「そこには良いことと悪いことがある」
「悪い面は、シャットダウン期間後からすぐにやるべきことがたくさんあったこと。良い面はすぐに改善できるモノがあったことだ」
「またルカ(デ・メオ/ルノー・グループCEO)やフラビオ(ブリアトーレ/アルピーヌF1エグゼクティブ・アドバイザー)という多くのサポートがある。実際、とても楽しみなことだ」
「ただ、とても時間がかかることだけは分かっている。みんなが望んでいるほど、すぐにできることはない」
「このチームは数年間、多くのことを経験してきたから、忍耐が必要だし、信頼関係を築かなければならない。常に正しい一歩を踏み出せるようにする必要がある」
オークス代表はアルピーヌの仕事を引き受けた際、決して楽な仕事ではないと認識していた。
チームは2024年の開幕戦バーレーンGP予選で2台揃って最後尾に沈むという最悪のシーズンスタートを切った。そして、オットマー・サフナウアーの後を継いだブルーノ・ファミンが12ヵ月足らずでチーム代表職から離れるなど、度重なるチーム代表陣の更迭という混乱に直面してきた。
簡単な状況ではないとはいえ、ファミン元代表からバトンを引き継いだオークス代表は、チーム内部の評価を経て、正しいステップを踏む上での核となる資質がチームにあると感じたという。
「今(アルピーヌの本拠地がある)エンストンにいる人たちは、我々がどこからスタートして、何をしてきたかを十分に理解している。そして今から年末にかけてパフォーマンスを発揮するために必要な旅路を歩んでいる」とオークス代表は言う。
「しかし真のバロメーターは、来年をどうスタートさせるかだ」
「現時点では、今から年末にかけて劇的に状況が変わることはないと思う。本当の旅は、次の段階をどう進んでいくかだと思う」
またオークス代表は、苦しいシーズンにも関わらず前を向くドライバーのピエール・ガスリーとエステバン・オコンのチームに対する注力も称賛した。
「フェアに見て、ふたりと一緒に仕事をするのは良いことだと思うし、プロ意識が非常に高い。彼らがモチベーションを保つ上で心配はない」
「もちろん、私と同じように彼らもイライラすることがある。日曜日に目標もない状態でクルージングしているようなことは避けたい」
短期的なアルピーヌの目標は明確。2025年に一歩前進し、2026年から始まる新レギュレーション下での戦いで再び上位に食い込むことだ。
そしてオークス代表はチームに何が可能かということに関しては強気の一方、レースにおいて保証されたモノはないとの考えを示した。
「常に自信を持たなければならない。でもF1は複雑なんだろう?」とオークス代表は続けた。
「ハードワークが必要だし、良いレースカーを作る方法を忘れたわけじゃないから、私が自信を持っているのは確かだ。しかし我々が今いるところに関しては、最終的に改善する必要があると分かっている」