【格安イヤホン探訪】サウンドスタイルを切り替えられる! 中華イヤホン「TRN MT1 MAX」(1580円)はリケーブル入門品

最近、更新頻度が下がっている格安イヤホンではあるが、ちゃんと継続しているのでご安心ください。今回は読者からおすすめ頂いた中華イヤホンだ。アマゾンでの販売価格は税込1580円で、私(佐藤)の考える格安(1000円以下)よりも、少し値が張るけど、聞いてみたら正直ビビった! これはスゴイ代物だ!! ちょっとクセがあるんだけどね……。

・中華ブランドTRN

製品の名称は「TRN-MT1 MAX」である。「TRN」は2017年に中国で設立されたイヤホンブランドで、2021年に登場した「MT1」シリーズのモデルがこの「MAX」とのこと。

近頃紹介している1000円以下の製品のほとんどが、ケーブルとイヤホン一体型であるのに対して、これはケーブルを付け替えられる(リケーブル)タイプである。

過去に紹介した「QKZ-AK6-MAX」もリケーブルできる製品だった。あちらは1000円以下(購入時990円)でリケーブルが可能だったが、その価格に見合う音質だった。さてこちらはどうだろうか? 1580円の価値を超える音を聞かせてくれるのか?

中身はイヤホンとケーブル、それにイヤーピースが3種(S・M・L)である。

説明書には日本語表記もあるけど、ところどころ言葉が怪しい。まあ、中華イヤホンあるあるなので仕方がないだろう。それより気になったのは、説明書にはコントロールボタンの図解があり、使い方も記載されていたんだけど……。

実物のケーブルにはコントロールボタンがない。購入時にマイクのアリ・ナシを選べたので、どちらのモデルにも同じ説明書を入れてるってことだろうなあ。この辺の扱いがザックリしてるね。

ケーブルと接続するとこんな感じ。金色と黒色の配色が高級感を演出している。ちょっとカッコいいかも。

耳に装着する際はケーブルを耳の後ろ側にまわす、いわゆる「Shure(シュアがけ)」をする。フィット感は悪くない。ケーブルを耳にかけるので安定もしている。イヤーピースが少々頼りないかなあ。

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・聞き比べ

ではいつものように、聞き比べてみよう。使用楽曲は、ボン・ジョヴィの「Wanted Dead or Alive」である。先攻は「ハイユニット HSE-A1000」である。

この曲は、ボン・ジョヴィの3枚目のアルバム「Slippery When Wet」(邦題:Wild In The Streets)に収録されている。西部劇の「おたずね者」をモチーフにした曲で、イントロ部分から流れる12弦ギターの乾いた音が、孤独と流浪を感じさせる。

肝になるのはその12弦ギターの高音だ。ハイユニットで聞くと、音粒がハッキリとしていて耳障りがいい。ストリングスの低音がしっかりと下支えしていて、バランスよく聞くことができる。

続いて、TRNでも聞いてみよう。

第一印象は音域が広い! 音を通して感じる空間的がとても広いのだ。ハイユニットよりもひとまわり音場が広く感じられる。

それから音粒がハッキリとしていて、少し刺々しさを感じる。とくに高音は耳に刺さってくるようだ。そして音圧が強くて、「力強い音」といえば良い言い方で、悪くいえば「うるさい」。

アプリのイコライザーを調整すればもっと聞きやすくできる。さらにいえば、ケーブルを変えてしまえば、もっと音質を調整できるだろう。つまりいろいろと取り得る手があるのが、この製品の魅力だろう。だが、それでは正当な比較にならないので、そのままの音で評価している。

音場の広さは評価できると感じたので、一応、暫定3位のDENON「AH-C260」とも聞き比べをしてみた。

DENONは音の広さと音圧で劣っている。けど、高音が耳に刺さることはなく、TRNよりもバランスが良い。何より、低価格(税込927円)というメリットは大きい。そう考えると、TRNのランク入りは難しいかなあ~……。