ルイ・ヴィトンやTAGホイヤーとのコラボもある!? F1、LVMHグループと10年超の大型契約締結。年間額は100億円超え?

 F1は、高級ブランドグループのLVMHと、2025年から10年間と長期にわたるグローバルパートナー契約を締結したことを発表。パートナーシップの詳細は来年初めに発表する予定だとしているが、F1はLVMH傘下のルイ・ヴィトン、モエ・ヘネシー、TAGホイヤーなど、超高級ブランドと共に、さらにシリーズの価値を高めていくことを目指すようだ。

 10月2日に発表された声明でF1とLVMHは、今回のパートナーシップ締結について「ラグジュアリーの世界的リーダーとモータースポーツの頂点の間での、前例のない契約」だと表現。世界最高の存在が融合することで、さらなる価値観を提供すると語る。

「LVMHグループの創造性と卓越性という価値観と、F1の革新性と高性能が交わるこのパートナーシップは、ふたつの世界最高のモノを融合させ、スリリングなスポーツとエレガントなアール・ド・ヴィーヴル(生活の美学)、ホイール・トゥ・ホイールのレースと長年の経験と実績のある職人技を組み合わせた他に例を見ない体験を、愛好家やファン、そして顧客の皆様に提供する」

「LVMHとそのチームは、ホスピタリティや特注のアクティベーション、限定的な優れたコンテンツを通じて、卓越したサヴォアフェール(フランスならではの伝統的なノウハウ)と起業家精神を、F1の世界と共有する」

 そうプレスリリースには記されている。

 F1のオーナー企業であるリバティメディアのグレッグ・マフェイCEOは、今回のパートナーシップ契約締結に際し、次のようにコメントしている。

「LVMHとF1は、常に創造性と革新性の限界を押し広げている、ふたつのグローバルブランドである。それは、リバティメディアの核となる価値観だ」

「グローバルパートナーになったことで、LVMHとの関係がさらに拡大した。弊社の商業契約を拡大する機会は、ビジネスがプラットフォームを拡大し続ける中で、F1に対する当社のビジョンを象徴するものだ」

 またF1のCEOであるステファノ・ドメニカリも、LVMHとのパートナーシップを歓迎するコメントを発表している。

「我々のスポーツは、絶え間ない卓越性の追求の上に成り立っている。これはLVMHの根底にもある価値観だ。そのため、この歴史的なパートナーシップが2025年に始まることを発表でき、とても嬉しく思っている」

「F1が世界的な成長を続け、より新しく多様な観客を惹きつけている中、LVMHの強さと幅広さは、ファンの体験とこの素晴らしいスポーツの伝統を継続的に向上させることを目指す我々にとって、完璧なパートナーだ」

 LVMHの会長兼CEOであるベルナール・アルノーも、F1との共闘を心待ちにしていると語った。

「人材、卓越性の追求、革新への情熱は、当社のファミリーとF1の活動の中心である」

 そうアルノーCEOは語る。

「モータースポーツは、ファッション、時計の製造、ワイン作りの精神と同様に、あらゆる細部が成功への道を切り開くことになる。我が社のワークショップでも、世界中のサーキットでも、限界を打ち破るための絶え間ない探究が社のビジョンを刺激する。これがF1と我々のグループとのこの素晴らしいユニークなパートナーシップにもたらしたい意味なのだ」

 なおF1とLMVHの関係性の歴史は長い。

 例えばルイ・ヴィトンは、モナコGPのトロフィーケースを提供するなどしている。またTAGホイヤーは、1980年にはマクラーレンが使っていたポルシェエンジンのバッジネームとなり、近年ではレッドブルが使うルノー製パワーユニットのバッジネームともなった。アイルトン・セナのモデルも複数製造されている。

 モエ・ヘネシーの”モエ・エ・シャンドン”は、以前F1のシャンパンファイトで使われていたシャンパンであり、昨年のラスベガスGPではモエ・ヘネシーがスポンサーを務めた。

 なおこのF1とLMVHのグローバルパートナーシップの年額は、1億ドル(約150億円)程度になるものと考えられている。これによりF1の市場価値は、100億ドル(約1兆5000億円)を超えるものになる可能性が出てきた。

 またLVMHはF1以外にも、オリンピックやパラリンピック、サッカーのプレミアリーグ、FIFAワールドカップ、NFLなどともスポンサー契約を結んでいる。