20代後半とアラフィフでは、人口が約2倍近く違う。中年男性が若い女性と結婚するのは、そもそも数の上からも無謀だ。
人口動態から見る中年男性の婚活は45歳のキャリアウーマンが狙い目という『中年婚活 50歳、年収450万円からの結婚に必要な30の法則』(大洋図書)より一部抜粋・再構成して「年齢別の人口比と婚活戦略」についてお届けする。
45歳のキャリアウーマンが狙い目
婚活をする前にアラフィフ女性のことを知っておく必要があります。いま、アラフィフの未婚女性はキャリアウーマンが多いといわれています。
多くの女性は結婚や出産どころではなく、働く道を選んだからです。
これから婚活をするにあたって、どのような女性を狙っていくかは重要なポイントです。
さっそく結論から言うと、アナタは同年代の正規職に就く未婚のキャリアウーマンか、離婚経験のあるシングルマザーを狙っていくことになります。
平成時代からはじまった自由恋愛の風潮、非婚、晩婚化のパラダイムシフトで、多くの女性が結婚という道を選ばなくなりました。
その結果、出生数が大台の80万人を割る深刻な少子化となったのです。このまま少子化が進行すると、国力が低下して、社会保障は立ち行かなくなるといわれています。
言い方を変えれば、アナタがどんなに困ったとしても、助けてくれる制度がなにもなくなるかもしれないのです。それが2040年問題です。
この深刻な事態を生んでしまった根本的な原因は、人口のボリュームゾーンである団塊ジュニア(1971年~1974年生まれ)の非婚が進んだことでした。
生涯未婚率は戦後ずっと男性は1~2%、女性は1~4%を推移していました。しかし、みなさんが結婚適齢期を迎えた2005年から極端な上昇がはじまりました。
2020年には男性28・3%、女性17・8%と、昭和時代と比べると考えられない領域までの悪化です。
この傾向は継続して、将来的には男性30%、女性20%に到達するだろうといわれています。
アラフィフの女性たちが結婚をせず、子どもを持たなかったことが少子化という国を揺るがす事態となったのです。
アラフィフの女性たちは、アナタがこれから婚活するときにターゲットにする層です。
これから婚活するにあたって、アラフィフのアナタがいままで結婚をしなかった、できなかった理由、女性たちが結婚をしなかった理由、子どもを産まなかった理由を知ることは必須となります。
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「結婚や出産はぜいたく品」という時代
団塊ジュニアは悲運な世代であることが、令和になって様々な識者から指摘されるようになりました。
1学年が200万人を超えて、受験戦争が激しく、やっと大学を卒業しても、深刻な就職氷河期と重なりました。
進学、就職で激しい競争を強いられ、脱落した者をケアすることなく、負けた者は非正規雇用の貧困者に落として低賃金で働かせました。
団塊ジュニアが社会に出てから勝ち組と負け組の格差は広がって、男性も女性も結婚どころではなくなったのです。
アラフィフのみなさんは格差社会の第一人者なのです。競争に負けた男性の低賃金労働者は自分の生活を支えるだけで精一杯、経済的な理由でとても結婚はできません。
一方、勝ち組の女性は、男性と同じように働いたので結婚どころじゃなくなりました。気づいたら男性も女性も、「結婚や出産はぜいたく品」という時代となってしまったのです。
団塊ジュニアの結婚適齢期は1990年代半ば~2000年代前半でした。
本来ならば多くの国民が適齢期に結婚&出産し、第三次ベビーブームを迎えるはずでした。
しかし、おもに経済的な理由による非婚化によって出生数は減るばかりで、多くが結婚という道を選択しなかったことで、生涯未婚率が昇竜拳のように急上昇することになったのです。
この国を揺るがす重大な分岐点で、人口のボリュームゾーンである団塊ジュニアを国がケアしていれば、日本はいまのような深刻な状況に陥ることはなかったはずです。
ケアとは企業に新卒採用を促して就職氷河期を回避するとか、非正規労働の制度を回避して若者の良質な雇用を維持する、みたいなことです。
しかし、その分岐点に国は徹底した新自由主義に走りました。新自由主義とは経済合理性や利益を優先し、政府の市場介入は最低限にするという考え方です。
人口のボリュームゾーンである団塊ジュニアが社会に羽ばたいた途端、雇用の非正規化をはじめ、低賃金やブラック労働が蔓延。
いままで地域や社会が介入した結婚も自由化して、結婚しない人、できない人が激増して悪化がとまらないまま現在に至っているのです。