パリで行なわれたクリスチャン・ルブタンのファッションショーに、F1ドライバーのピエール・ガスリーがサプライズ登場。サーキットではあまり見せない、大胆な装いで驚かせた。
かつてはサーキット外での活動があまり注目されなかったガスリー。しかし最近では積極的に外に出て、様々なメッセージを送ろうとしているようだ。中でもガスリーが特に力を入れているのが、ファッションである。
ガスリーは過去数年の間に、いくつかのファッションショーにサプライズ登場。グランプリを転戦する忙しい日々の合間を掻い潜って、ヨーロッパのファッション界の中心人物たちと交流を深めてきた。
そのガスリーは9月27日にパリで行なわれたクリスチャン・ルブタンのファッションショーに登場。このショーでは、アーティスティックスイミングのチームが水中で演技を披露するなど、実に派手な演出だった。
このファッションショーにガスリーは、モデルで彼の恋人でもある21歳のキカ・セルケイラ・ゴメスを伴って出席。彼女のファッションも注目を集めたが、それ以上にガスリーのファッションも大胆だった。ガスリーはノースリーブの黒のトップスにチェーンネックレスを合わせるという、サーキットではなかなかお目にかかれない”装い”であった。
ガスリーは2017年から2022年まではレッドブル・ファミリーの一員だったため、チームキットを着用しなければいけなかった。そのためファッション面で冒険できることと言えば、ボトムスにバギージーンズを取り入れたり、派手なエアジョーダンを履く……そんな程度のものだった。
しかしアルピーヌに移籍して以降、ファッションに関する自由度は高まったようで、オーバーサイズのニットウェアを着てみたり、モノグラムのショートパンツを履いたりと、様々なスタイルを試し、楽しんでいる。
またカンヌ映画祭や全仏オープンなどではシックなスタイルを披露する一方で、ファンとの内輪ネタを取り入れたグッズ作ったり、ソーシャルメディアで華々しい私生活を公開したりと、個人のブランディングにも勤しんでいる。
「それは時間と共に高まった興味なんだ」
今年はじめのインタビューで、ガスリーはそう語っている。
「そして自分に合うもの、気分が良くなるものを見つけるんだ。本当に長い旅のように感じたよ。そして今後もそれは進化していくだろう。そういう過程が楽しいんだ」
「自由な時間はあんまりないけど、ショーに行ったり、デザイナーに会ったり、この非常に異なる世界、非常にクリエイティブな世界を理解しようとするのが楽しい。そういうことに本当に興味があるんだ」
ガスリーがファッションの世界でも注目を集めるようになれば、それは悪いことではない。メルセデスのルイス・ハミルトンは、毎グランプリで奇抜かつハイセンスなファッションを披露しており、パドックはさながらキャットウォークのようになっている。このことにより、これまで以上の多くのファッションブランドからの熱視線が集まっている。
最近では、ルイ・ヴィトンやTAGホイヤーなどを傘下に収めるLVMHが、F1と10年間にわたる超大型パートナーシップ契約を締結したばかり。また多くのチームには何らかのファッションブランドがスポンサーとしてついている。今やF1とファッションは切っても切り離せないようなものなのだ。
なおガスリーと非常に仲の良い角田裕毅(RB)もファッションに興味を抱いているひとり。サーキットでは、チームのパートナーであるヒューゴのウエアを着用することが多いが、サーキット入りする時には毎度ハイセンスな着こなしを披露。自身のアパレルブランドもあり、著名なデザイナーであるVERDYとのコラボレーションウエアも、今年の夏に発売されている。