20人のトラッド巧者が「手放せない」と語る20のアメトラ名品。それぞれの個人的なエピソードや、いまだからこそ感じる魅力を織り交ぜて紹介する。全20選のうち、今回はNo.13〜16をお届け。
13…G.H.BASS / LOGAN
現代のアメトラに欠かせないローファーの原点。
現代のアメトラにおいて欠かせないペニーローファー。歴史を変えたと言っても過言ではない、そんなアイテムを初めて世に出したのは〈ジーエイチバス〉だ。そんな同ブランドを日本で取り扱う「GMT」の三浦さんが〈ジーエイチバス〉と初めて出会ったのは20年以上前。
「初めて履いたのは大学生の頃ですね。千葉の古着店にデッドストックでバーガンディの[ローガン]が3足、それもマイサイズが並んでいて、まとめて買ったのを覚えてます。それから、もう20年以上[ローガン]だけで10足以上は履いてきました。
元々、学生が始めたアイビーファッションで履かれてきた歴史があるので、比較的安価で買えるもののほうが、よりリアルに愛用されていたと思うんです。それでいて、ずっと変わらないクラシックなつくりも〈ジーエイチバス〉の魅力ですね」
Recommender:GMT/ミウラシュランさん|世界中の靴を取り扱うインポーター「GMT」のプレス。趣味は日本の伝統演芸である落語鑑賞だが、最近は神田伯山の講談に夢中。
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14…BARACUTA / G-9
アメリカというフィルターを通した英国の定番。
くろすとしゆきさんの著書に載っていた白黒写真の〈バラクータ〉[G9]を目にして「こんなに格好いい服があるのか」と衝撃を受けたという玉木さん。それから50年、当時感じたその気持ちは変わっていない。
「高校生の頃、[G9]を本で見つけた時は、どこのブランドなのか分からず、探し回ったのを覚えています。たまたま東京へ行く機会があり、上京していた大学生の先輩に会ったのですが、偶然[G9]を着て来たんです。すぐ売っている場所を教えてもらい、連れて行ってもらいました。今となっては当たり前ですが、裏地にチェックを使ったジャケットなんて、当時は本当になかったんです。
その当時は英国発祥ということすら知りませんでしたがアイビースタイルというアメリカのフィルターを通して目に留まったアイテムは、僕にとってアメトラです」
Recommender:セプティズ/玉木朗さん|三軒茶屋で20年以上続くトラッドショップ「セプティズ」のオーナー。最近の休日は、昔に見た古い映画を見直しながら過ごしている。