【MotoGP】名伯楽アキ・アヨとの共闘は叶わず。今季限りでKTM離れるミラー「彼には影響力がある。陣営の良い武器になると思う」

 KTMのジャック・ミラーは、2025年にチームマネージャーとなるアキ・アヨと共に仕事ができないことを悲しんでいる。

 これまでMotoGPの軽量級、中量級クラスで多くの若手を見出してきた名伯楽であるアヨは、Moto2、Moto3で“Red Bull KTM Ajo”として参戦するアヨ・モータースポーツの運営から離れ、来季からフランチェスコ・グイドッティに代わって最高峰クラスでKTMファクトリーチームを指揮することが発表された。

 しかし、ミラーはその名伯楽が持つ影響力を肌で実感することは叶わない。というのもミラーは今季いっぱいでKTMを離れ、来季はヤマハ陣営となるプラマックに移籍することが決まっているのだ。

 ミラーは日本GPを前に、自身もよく知るアヨの加入について尋ねられると、自身の後任として新星ペドロ・アコスタを迎えて躍進を目指すKTMにとって、非常にポジティブな動きだと語った。

「アキはそういう仕事を必要としているわけじゃない」

「彼にとってそういうものはどうでもいいんだ。彼はとにかく勝ちたがっていて、それに尽きる……彼はそういうメンタリティで来ている。彼は自分が何をしたいかをよく分かっていて、それに従うか出ていくかの二択だ。そのくらいの影響力、求心力があるんだ」

「アキが何度もこの仕事を断ってきたのを知っている。でもついに“その時”が来たんだと思う。これからが興味深いね」

「当然それ(アヨと共にKTMで働けないこと)に関しては寂しい。アキと共に仕事をするのは特別なことで、僕にとっても大切なことだ。僕たちは10年来の仲だから、また働けたら最高だった。でもそうはならなかった」

「それよりも心配なのは、彼と対戦することになるという点だ。彼がチーム監督としてどれだけ有能かは知っている。彼は(KTMの)良い武器になると思う」

 一方でミラーは、グイドッティが契約満了を待たずしてチームを離脱することになったのは、彼のポテンシャルを表した出来事ではないと擁護した。

「フランチェスコはそこで自分の役割を果たそうとしたが、やるべきことをやるための、言ってみれば最高のツールが与えられていたとは思えない」

「彼としても当然、自分の立場を守ろうとしていた部分もあるだろう。でも彼は必要とされる仕事を成し遂げられないような状況だったと感じる」

 2年前のドゥカティ時代に勝利を挙げたもてぎに戻ってきたミラー。レースに向けた意気込みについて次のように語った。

「もてぎは僕のキャリアの中でも好きなコースだし、過去にも良い結果を残している。だから今週末は最初から最後までしっかりとしたレースができることを祈っている。そのうち、そういうレースのひとつくらいできるような気がしているんだ」

「僕たちにとって一番大事なのは、予選で良い走りをすること。ここ2週間、Q2進出を逃したことが大きな痛手となったからね」