10・12行田大会の世界ジュニアヘビー級選手権試合へ向けた会見が4日、東京・湯島の全日本事務所で行われ、王者・“ミスター斉藤”土井成樹、挑戦者・田村男児が出席した。
世界ジュニア王者・土井は9・16大阪大会で佐藤光留を下し、3度目の防衛に成功。ともに童貞を殺すセーター姿で戦った二人を試合後、田村が「リング上でセーター着てなにをやってんですか? しかも世界ジュニアの大事なタイトルマッチですよ。土井さんも何やってんですか? チャンピオンでしょ?」と公開説教。土井に挑戦を表明し、行田大会でのタイトルマッチが決まった。
「前回、大阪でセーターを着てたと。チャンピオンがまず着て、それに乗っかって光留さんもセーターを着てしまったと。ああいうのがタイトルマッチで普通になっちゃダメ」との思いからベルト獲りに動いた田村は勝てば3・9後楽園大会でライジングHAYATOに敗れて第67代王者から陥落以来、7ヵ月ぶり2度目の戴冠となる。「いまさら獲って新しい時代を築こうとか、俺の時代を築いてやるとか、そういうクソみたいなことは言いたくない」と言い切った田村は「「僕はどっちかというと新時代側になってるんですけど、腫れ物的なものだと思うので。僕みたいなのがこうやって激しく、厳しいものを世界ジュニア戦やっていければ」と見据えている。
土井攻略はたやすくないが、田村は「僕は僕のやり方、田村男児の戦い方、そういうものをやったうえで世界ジュニアを獲りたい、土井成樹から獲りたい」と己を貫いて全日ジュニアの至宝を再び勝ち取るつもり。「理屈抜きで、すべてを真っ向から潰す、ぶっ飛ばす。それが僕の戦い方。誰の挑戦も受けたいなと。すべて退けて俺がチャンピオンだということを証明したい」と戴冠後を描いた。
土井はこれが4度目の防衛戦。「俺は今までの防衛戦ですべて相手の土俵でやってきたから。初防衛戦・MUSASHI戦。仙台っていうMUSASHIの第二の故郷でやった。それから2回目の防衛戦・井上凌。完全に彼の地元・福岡でやった。それから大阪・光留戦でセーターを着てやるっていう。ある意味、相手の土俵で試合をした」と自信は深まるばかりで、「次は田村男児とタイトル戦。相手の土俵でやるという意味でも、こちらも激しいスタイルで勝負する」と宣言した。
今回、勝利すれば、前回の王者時代も含めて全日ジュニア勢を総なめすることになる。そこで土井は「いろいろ見てたら全日鎖国みたいに書かれてるけど、別に俺自体は鎖国してへんから。俺いつでもオープンやから」と前置きしたうえで、「それやったら今回防衛戦終わって、タイトル防衛したら他で、他団体でやるなり、他団体の選手とやるなり。俺は鎖国してへんからオープンにいきたい」と外に目を向ける構えをみせた。
「今、ゼンニチ新時代とか言われてるけど、別に若い選手が活躍したからゼンニチ新時代とか、俺は違うと思ってるから。新しいヤツが新しいことやって面白いことやったら、それがゼンニチ新時代になる」というのが土井の考え。田村突破によって新局面を見据える王者は「俺なりの全日ジュニアの新時代みせたるわ」と言い切ってみせた。