MotoGP第16戦日本GPのプラクティスはKTMのブラッド・ビンダーがトップタイム。LCRホンダの中上貴晶は12番手だった。
夜中に雨が降り、金曜午前中のFP1も雨粒が落ちるなど不安定な天候となっている今週末のモビリティリゾートもてぎ。ただ路面をしっかりと濡らすほど雨は続かず、金曜午後のプラクティスはドライコンディションでスタートした。
このプラクティスで土曜日の予選組分けが決まるため、万が一にも雨に降られてはならぬと、各ライダーは序盤から積極的にタイムを出しに行った。
5分が経過した時点でまずトップに立ったのはポイントリーダーのホルヘ・マルティン(プラマック)。バニャイヤは僅差の2番手に続いたが、その後さらにタイムを更新し、1分44秒072をマークした。
一度各車のアタックが落ち着き、ピットに戻るマシンが多くなった頃には、タイムを出さずにピットに戻っていたマルク・マルケス(グレシーニ)が走行を再開。リヤを滑らせヒヤッとする瞬間もあったものの、走行を重ねて6番手までポジションを上げた。
バニャイヤは早めに走行を再開すると、1分44秒台から連続走行。レースに向けた感触を確かめた。
自己ベストを記録するマシンも少なくなってきた中で、エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)が転倒。ターン13(ビクトリーコーナー)で挙動を乱し、バイクが宙を舞ったが、ライダー自身は無事に走ってピットに向かった。
予選に向けたアタック合戦が本格化したのは、残り13分を切ってから。マーベリック・ビニャーレス(アプリリア)が2番にジャンプアップすると、ブラッド・ビンダー(KTM)が1分43秒879をマーク。暫定トップタイムを塗り替えた。
その後も多くのライダーがトップ争いに参加。ペドロ・アコスタ(GASGAS)が2番手に食い込むと、続くアタックでも1分43秒754を叩き出した。
他のライダーのタイム更新でポジションを下げていたマルティンとバニャイヤも、残り10分を切ってからアタックへ。バニャイヤがアコスタと全くの同タイムをマークするが、さらに速かったのがマルティン。1分43秒568をマークし、頭ひとつ抜け出した。
これでマルティンがトップかと思われたが、残り5分を切ってからタイヤを交換したライダーがタイムを更新。中でもビンダーが1分43秒436を記録し、暫定トップを奪った。
最終的に、ビンダーがこのタイムでセッショントップ。2番手にはマルク・マルケスが入り、マルティンは3番手となった。
4番手アコスタ以下、バスティアニーニ、ビニャーレス、バニャイヤ、アレックス・マルケス(グレシーニ)、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46)、マルコ・ベッツェッキ(VR46)までが予選Q2への直接進出を決めた。
日本メーカーはトップ10に入れず。しかし惜しかったのが、LCRホンダの中上貴晶だった。今季限りでMotoGPフル参戦を終える中上は、ホームのファンの前で素晴らしい走りを披露。レプソル・ホンダのジョアン・ミルや転倒のあったヨハン・ザルコ(LCRホンダ)より0.4秒速いタイムを刻み、一時はトップ10に入っていたが、最終的に予選Q1免除にはわずか0.049秒届かず12番手となった。
ヤマハのファビオ・クアルタラロは14番手だったが、セッション終了後にバイクを止めると鬼気迫る表情でマーシャルを呼んでおり、なんらかのマシントラブルがあったような様子だった。