MotoGP日本GPの初日を終え、LCRホンダの中上貴晶はプラクティスで12番手。トップ10入りし、予選Q2直接進出を決めることはできなかったものの、今回はマシンに手応えを感じているようだ。
今季限りでMotoGPレギュラー参戦を終了することが決まっている中上にとって、今回の日本GPは、とりあえず最後の母国グランプリということになる。
近年はホンダ勢が軒並み苦しんでいることから、今季の中上は下位に沈むことが多い。しかし今回のもてぎの初日には、ある程度手応えを感じているようだ。
「午前中のフリー走行は難しいコンディションだったため、あまり走ることはできませんでした。コンディションはドライではあったものの、V字とかでは白線に近いところなどが若干湿っていて、気をつけなければいけないなと思っていたところで雨が降ったり止んだり……あまり走れませんでした」
そう中上は語る。
「午後のセッションも天候が読めず、ドライで走れるのか、ウエットになるのか最後の最後まで分かりませんでした。その状況でも運良くドライで走れました」
その中上は、バイクのフィーリングはよかったと語る。
「今日の午前中の第一印象から、着実に良くなっています。バイクのフィーリングも良かったですし、特にブレーキングからのターンイン、そしてエイペックスまでのバイクのフィーリングはすごく良いんですよ」
「安定しているし、止まれるし、無理してもちゃんとアジャストできてエイペックスでクリップにつけるので、その部分でタイムを稼げています」
「僕としても良い走りができたんで、久々に楽しかったですね。それが重要だし、改善できるように思える部分も多々あるので、エンジニアやチーフ、電子制御の人たちとよく話をして、細かい部分を詰めていきたいですね」
ただ100%満足しているわけではない。コーナーからの立ち上がりでの加速を改善できれば、もっとペースを上げられるはずだと中上は言う。
「でも逆を言えば、エイペックスからの立ち上がりの区間でもう少し加速して欲しいというか、改善できる感覚があります。コンマ2秒とかコンマ3秒はおそらく稼げると思いますよ。タイム差を見ると余計に悔しいです」
「新しいパッケージは機能していると思います。旋回性もいいですし。でも、やっぱりウイリーがひどいですね。リヤのスピニングも少し大きいですし……リヤが滑って、シフトショックでそれがキュッと止まるんですけど、それでバイクが不安定になって、ウイリーが出てきてしまいます。そこは改善しなければいけないですね」
「セッション後にデータを見ながら細かく説明しました。今はチームに預けたので、彼らのアイデアを聞いて、着実にコミュニケーションを取りながら、今劣っているところや改善できるところをフォーカスしてやっていきたいです」
「エアロについても、僕は意見をハッキリ言うことができるので、チームだけじゃなく、HRC(ホンダ・レーシング)の方たちにも伝えたいです。今回、HRCの方がたくさん来てくださっているので、エアロ担当の人を捕まえて色々話したいですね」
その中上は、もてぎの雰囲気を初日から楽しんだようだ。
「みんなが応援してくれているのはすごく感じます。母国っていいなというところも感じつつ、毎周毎周が楽しいです。それはやっぱりもてぎだけだし、常に楽しい。特別なグランプリなんだなというのは改めて感じます」