MotoGP第16戦日本GPの2日目、MotoGPクラスの予選が行なわれた。小雨の降る不安定なコンディションの中、GASGASのペドロ・アコスタがMotoGPキャリア初めてのポールポジションを獲得した。
土曜日のモビリティリゾートもてぎは、ウエットコンディションで一日がスタート。だが雨自体は止んでおり、Moto3とMoto2のプラクティスが行なわれたこともあって、走行ラインはほぼドライコンディションとなった。
予選前に行なわれたMotoGPのFP2も各車がスリックタイヤで走行。ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤが1分44秒569を記録し、アコスタが僅差で続いた。
続いて行なわれた予選Q1には、今回がフル参戦最後の日本GPとなる中上貴晶(LCRホンダ)を含め、ホンダとヤマハの7台(ヤマハからワイルドカード参戦のレミー・ガードナー含む)が出走。ジャック・ミラー(KTM)やアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)もQ1からとなった。
しかし各車が最初のタイムを出す前に、降雨を知らせるレッドクロスフラッグがマーシャルポストで振られるようになった。コンディションが悪化する前にタイムを出すことが重要となる中で、まずはミラーとエスパルガロがトップ2につけた。
一時ヨハン・ザルコ(LCRホンダ)がエスパルガロを上回って2番手につけたが、また他のライダーにQ2突破圏内から蹴り出されてしまった。
幸い雨がすぐにひどくなるようなこともなく、タイヤを交換したライダーも合流してセッション後半のアタック合戦に。ここで多くのライダーがタイムを更新した。
プラマックのフランコ・モルビデリが1分43秒746を叩き出しトップに立つと、ヤマハのファビオ・クアルタラロが2番手に食い込んだ。
モルビデリはラストアタックを前にピットに入り、他のライダーのアタックを見守ったが、上位を脅かすようなライダーはおらず、モルビデリとクアルタラロがQ2進出を決めた。
ホンダ勢はザルコの6番手が最上位。前日のプラクティスでQ2直接進出の希望が見えた中上は、コンディションの影響か上位に食い込めず、11番手で予選を終えた。
続く15分間のQ2では、再びレッドクロスフラッグが振られる状況。セッション開始時にはピット出口にバイクが集まり、我先にとコースインしていった。
グレシーニのマルク・マルケスを先頭にドゥカティ勢が連なってアタックへ。隊列からマルク・マルケスが抜け出し、ホルヘ・マルティン(プラマック)がバニャイヤをパスするシーンもあった。
マルク・マルケスは1分45秒744で暫定トップに。モルビデリが2番手、マルティンが4番手につけた一方で、バニャイヤは12番手に沈んだ。
しかしその後もタイム更新が不可能なコンディションではなく、タイムシートは次々に塗り替わった。コース上の位置取りをめぐる争いも激しく、マルティンがアレックス・マルケス(グレシーニ)と接触するシーンもあった。
セッション折り返しのところではアコスタが1分43秒758をマークし、トップに浮上。2番手にエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)が食い込むなど、目まぐるしい展開だ。12番手と沈んだバニャイヤは一旦ピットに戻った。
セッション後半のタイム更新にかけてピットに戻るマシンもいる中、バニャイヤは空いたコース上で2番手タイムをマークした。
マルク・マルケスやマルティンは残り5分を切ってコースイン。セッション終盤のアタックに臨んだ。
アタックを続けるバニャイヤが一気に0.5秒以上タイムを更新し1分43秒264でトップに立つが、それをさらに大きく上回ったのがマルク・マルケス。1分42秒868を叩き出し、これが新たなコースレコードになるかと思われた。
マルティンも最速ペースでラップを刻んでいたが、ターン9で転倒。これにより後続のライダーのアタックにも影響が及んだ。
セッション残り時間がゼロとなり、マルク・マルケスがポールポジションを獲得するかと思われたが、最速タイムがトラックリミット違反により抹消となってしまい、代わってアコスタがMotoGPで初めてのポールポジション獲得となった。なお、アコスタが終盤に記録した1分43秒018が新たなオールタイムラップレコードとなっている。
2番手はバニャイヤ、3番手はアプリリアのマーベリック・ビニャーレスとなった。
痛恨のタイム抹消を受けたマルク・マルケスは弟でチームメイトのアレックスのひとつ前、9番手スタートに。ポイントリーダーのマルティンは11番手、ヤマハのクアルタラロは12番手からのスタートとなった。