人気駅弁が秋の味覚と夢の競演 

(群馬)峠の松茸釜めし 昨年の販売価格:6000円

昨年、期間限定で発売されるや大人気を博した伝説の駅弁。国産マツタケを食感も楽しめるよう大胆にカット。
ゴボウやタケノコなど、通常の釜飯でおなじみの具材との競演もこの時期ならでは(毎年秋の時期に発売されるが、原稿執筆時点では発売未定)。
 
販売場所=おぎのや横川店、上信越自動車道、横川サービスエリア店(上り線)※予定
問い合わせ先=荻野屋 027-395-2311

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あの素晴らしいシイタケをもう一度

(鳥取)しいたけ弁当 素晴ら椎茸 1400円

濃厚なうまみが特徴の原木シイタケを使用した大胆な駅弁。とにかく分厚いジャンボシイタケは、一度干してうまみを凝縮させてから、これまた地元産のしょうゆで味付けし、さんしょうご飯の上にのせています。
たかがシイタケ、されどシイタケ、いや、素晴らシイタケ。そう叫びたくなるはず。
 
販売駅=JR鳥取駅
問い合わせ先=アベ鳥取堂 0857-26-1311
 

栗の魅力を最大限に引き出す名駅弁

(熊本)栗めし 1200円

昭和40年の登場以来、人気を博する駅弁。地元の球磨(くま)地方で採れた甘みが強い栗と、塩味の効いたご飯とのコントラストが後引くうまさ。
ひじきや肉団子など素朴なおかずも主役である栗を引き立てます。かわいらしい栗の形の容器も持ち帰りたくなります。
 
販売駅=JR人吉駅
問い合わせ先=人吉駅弁やまぐち 0966-22-5235

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秋は野菜のうまさを楽しむべし 

(静岡)静岡ヴィーガン弁当 950円

他とは一線を画す野菜中心の珍しい駅弁ですが、マイタケの天ぷらや、サツマイモの磯辺揚げ、厚揚げを使ったすき焼きなど思いの外、食べ応えがあってびっくりします。
修善寺の黒米、静岡産抹茶の茶飯も優しい味わい。歳を重ねるとこういう駅弁がありがたいですね。
 
販売駅=JR三島駅、沼津駅
問い合わせ先=桃中軒 055-963-0154
 

駅弁を食べその地に思いをはせる

(岐阜)白川郷 味の合掌造り 1200円

世界遺産、白川郷の合掌造りを再現した由緒ある駅弁は、昭和39年から販売されています。1階と2階の部分は山の幸がたっぷり、屋根の上にあるご飯は雪に見立てています。
煮物メインの渋い駅弁ですが、晩秋にしんしんと降る雪を思って食べるのは風流なもの。
 
販売駅=JR高山駅
問い合わせ先=金亀館 0577-32-0184

旬の素材を使った駅弁で酒も進む

(青森)秋の王様 松茸と栗のせすき焼き弁当 1480円

東北本線開通の翌年から八戸駅で弁当販売をスタートさせた、歴史ある吉田屋による季節限定弁当。
秋の味覚の王様ともいえる、マツタケと栗をのせた、すき焼き風弁当。軟らかい肉とマツタケのうまみがしみ込んだご飯は絶品の一言。文句なしのうまさです。
 
販売駅=JR八戸駅
問い合わせ先=吉田屋 0120-185-325
 

あの崎陽軒の季節限定弁当

(神奈川)おべんとう秋 860円

シウマイ弁当でおなじみ崎陽軒による秋限定駅弁。4種類のキノコやサツマイモといった秋の味覚を、味わいはもちろん目にも鮮やかに仕上げているあたりに、人気店の実力がうかがえます。
小さめのおかずは酒飲みにはたまりません。シウマイが入っているのもうれしい。
 
販売駅=JR横浜駅ほか
問い合わせ先=崎陽軒 0120-882-380
受付時間 9時~17時30分(1月1~3日を除く)

最高級の松阪牛のうまさを引き出す

(三重)匠の技 松阪牛物語 4200円

名物おかみで知られる『あら竹』の人気駅弁。松阪牛の特徴は、きめの細かいサシと軟らかな肉質ですが、甘く深みのある上品な香りを最大限に引き出すため、加熱式容器を採用。
加熱すると上質な脂が溶け出して、上品な甘さが口いっぱいに広がります。要予約。
 
販売駅=JR松阪駅
問い合わせ先=あら竹 0598-21-4350
 

旅のお供にしたいお宝弁当

(石川)加賀白山おったから弁当 1680円

加賀・白山に古くから伝わる郷土料理を詰め込んだお弁当。メインはかにずしですが、五郎島金時(サツマイモ)、加賀れんこん、赤皮甘栗かぼちゃなどの加賀野菜は何ともいえない滋味深いおいしさ。
弁当を包むオリジナル風呂敷も旅の特別感を演出します。
 
販売駅=JR加賀温泉駅
問い合わせ先=高野商店 0761-72-3311

海の恵みを5種類の技法で楽しむ

(広島)広島牡蠣づくし 1380円

昨年の駅弁コンテストで入賞した実力派。カキの煮汁で炊いたかき飯に、煮がき、炙りがき、カキフライ、カキのゆずみそ和えと5種類が楽しめる、まさにカキ尽くしの一品。
ふっくらとしたうまみたっぷりのカキはすべて地元産。まさに広島を代表する駅弁です。
 
販売駅=JR広島駅
問い合わせ先=広島駅弁当株式会社 082-286-0181
 

キノコの王様を味わい尽くす

(群馬)上州舞茸弁当 1400円

上州産マイタケをメインにしたキノコ好きならたまらないお弁当。しょうゆ味をベースにマイタケの具を炊き込んだおいしい混ぜご飯は、口に入れた瞬間、マイタケの香りが鼻に抜ける。
天ぷらや煮物にもマイタケを使用していて、心ゆくまで秋の味覚を堪能できるはず。
 
販売駅=JR高崎駅
問い合わせ先=高崎弁当株式会社 0120-56-2571

地元駅弁の人気のメニューが勢ぞろい 

(山梨)小淵沢駅120周年記念弁当 価格未定

JR小淵沢駅の開業120周年を記念した特別弁当。貝の煮汁で作る炊き込みご飯や、ほうとうのグラタン、ワインを使ったビーフシチューなど山梨名物を堪能できる。
弁当は九つに仕切られているので、それぞれのおかずと酒をペアリングしても楽しいかも。

販売駅=JR小淵沢駅
問い合わせ先=丸政 0551-36-2521 

ごちそうの名にふさわしい限定駅弁 

(北海道)秋のご馳走御膳 1180円

ホタテのチーズちゃんちゃん焼き、知床鶏の南部竜田揚げ、秋サケとひじき俵ご飯など、北海道の秋の味覚を盛り込んだ期間限定の駅弁。
幕の内弁当のような丁寧な盛り付けで、見ているだけでお腹が空いてきます。どれから食べようか迷ってしまうかも。
 
販売駅=JR札幌駅
問い合わせ先=札幌駅立売商会 011-721-6101

北海道に行ったら一度は食べたい

(北海道)かきべん 1290円

特製のしょうゆだしで炊いたニンジンとひじきの炊き込みご飯の上に、ふっくらと煮たカキをたっぷりのせています。
しっかりとした甘めのしょうゆ味で煮たカキは、それだけで酒のつまみになりますし、ご飯と一緒に食べてもよし。北海道ならではのぜいたくな駅弁です。
 
販売駅=JR釧路駅
問い合わせ先=(株)釧祥館 0120-323-017
 

帰省した時のような懐かしい味わい

(ふくしま路)おとなの秋ごはん 1200円

秋のごちそうを豪勢に盛り付けた季節限定駅弁。田舎に帰った時にもてなされたような優しい気持ちになる駅弁です。
キノコの炊き込みご飯の上にのった、大きな栗がアクセントに。おかずが多いのでのんびり車窓を眺めながらお酒と楽しみましょう。
 
販売駅=JR郡山駅
問い合わせ先=福豆屋 024-943-0528

欲張りな人はこれで決まり

(鹿児島)九州巡り旅弁当 秋 1580円

福岡の辛子めんたいこ、大分の中津風唐揚げ、熊本のからし高菜、鹿児島の黒豚角煮など九州のうまいものを詰め合わせた欲張りなお弁当。
秋限定はそれらに加えて熊本の栗をふんだんに使っているのが特徴。どれもお酒が飲みたくなる濃厚な味付けです。

販売駅=JR鹿児島中央駅 
問い合わせ先=松栄軒 0996-62-0617 

駅弁の新たな光は外国人&冷凍駅弁 

近年、いろいろなおかずを楽しめる幕の内駅弁が多くなったのは、インバウンドの増加が理由として考えられます。新幹線に乗るとよく分かりますが、外国人向け需要は駅弁業界の大きな希望の光となっています。
外国人にとって小さなおかずが楽しめる幕の内弁当は、実に日本的で好評だとか。  
また、価格帯が高級なものと手頃なものとに二極化しており、そこにもインバウンドの影響を感じます。
コロナで経営難が続いた駅弁業界ですが、現在では冷凍駅弁を積極的にアピールし、お取り寄せ需要や海外向けの輸出など、打開策を模索しています。(談・小林しのぶ) 

『駅弁屋 祭』の冷凍駅弁通販サイトより

『駅弁屋 祭』の冷凍駅弁通販サイトより

取材・文/キンマサタカ 

※駅弁の価格はすべて税込みです。価格は取材時のもので、変動する場合があります。

 「週刊実話」10月17日号より 

小林しのぶ
30年以上で食べた駅弁の数は5000超え。駅弁開発、プロデュースも手掛け、付いたあだ名は「駅弁の女王」。