MotoGP第16戦日本GPのスプリントレースが行なわれ、ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤが制した。
ポールポジションはGASGASのペドロ・アコスタ。2番グリッドにはランキング2番手のバニャイヤがつけた。
トラックリミット違反でポールポジションが幻となったマルク・マルケス(グレシーニ)は9番手、バニャイヤとタイトルを争うランキング首位ホルヘ・マルティン(プラマック)は予選で転倒があり、11番手からのスタートとなった。
日本メーカーはヤマハのファビオ・クアルタラロの12番手が最上位。ホンダはヨハン・ザルコ(LCRホンダ)が16番手。チームメイトの中上貴晶は、21番手からフル参戦最後の日本GPスプリントを戦った。
土曜日のモビリティリゾートもてぎは一日を通して天候が不安定。他クラスの走行も含めて、時折雨が降ってくるものの路面をしっかりと濡らすほどの雨量ではないという難しいコンディションとなった。MotoGPスプリントのサイティングラップでも、レインタイヤをつけたバイクもみられたが、各車スリックタイヤで12周のレースに臨んだ。
ホールショットを奪ったのは、ここ数戦スタートで苦しんでいたバニャイヤ。2番手にはチームメイトのエネア・バスティアニーニが続いたが、アコスタがすぐさまポジションを奪い返し、2番手でオープニングラップを終えた。
また、マルティンも好スタートで5番手まで浮上。マルケスは6番手、中上は19番手で2周目に入った。一方、レプソル・ホンダのジョアン・ミルが転倒を喫し、その後レースに復帰した。
2周目、あまりペースが上がっていなかったマルティンをマルク・マルケスがパス。首位争いでは、バニャイヤの背後にアコスタがピタリと付けてプレッシャーをかけていった。
アコスタは3周目のターン5でバニャイヤのインに飛び込み、首位に浮上。このタイミングで、4番手を走っていたブラッド・ビンダー(KTM)がスローダウン。どうやらマシントラブルがあったようだ。
中上は、5周目になんとチームメイトのザルコと接触し転倒。コーナーでワイドになってしまい、レーシングラインに戻ろうとする中で、イン側のザルコと当たってしまったようだ。この件で、ザルコにはロングラップペナルティが科せられた。
レース折り返しの時点で、アコスタはバニャイヤに0.3~4秒の差をつけて首位をキープ。3番手には同じようなギャップでバスティアニーニが続いた。
しかし残り5周でアコスタが一段とギヤを上げ、バニャイヤとの差を0.7秒ほどまで開くとさらに差を広げようとしていた。だが9周目、アコスタは痛恨の転倒。グラベルで天を仰いだ。さらにアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)らも転倒を喫してしまった。
残り2周を切り、ペースが良いのはマルク・マルケス。バスティアニーニに一気に接近すると、ヘアピンでクロスラインを仕掛けて前に出た。だがバスティアニーニも食らいつき、90度コーナーで抜き返してみせた。
このバトルで火がついたか、バスティアニーニはペースアップ。トップ3がひとかたまりとなった。ただ、その中でそれ以上のオーバーテイクは生まれず。なんとか逃げ切ったバニャイヤがトップチェッカーを受けた。
2位はバスティアニーニ、3位にマルク・マルケス。マルティンは4位だったが、先頭集団からは少し離される苦しい展開。タイトル争いのリードも15ポイントに縮められた。
そしてトップ7までドゥカティ勢が独占。8位はKTMのジャック・ミラーだった。日本メーカーはヤマハのクアルタラロが12位で最上位。ホンダ勢はその後ろルカ・マリーニ(レプソル・ホンダ)が13位に終わった。