【MotoGP】転倒リタイアの中上貴晶、接触チームメイトのザルコに憤り「彼にはハッキリと残念な気持ち」|日本GPスプリント

 モビリティリゾートもてぎで行なわれている2024年のMotoGP日本GP。2日目のスプリントレースで中上貴晶(LCRホンダ)は転倒リタイアに終わってしまった。

 中上は初日のプラクティスを惜しくも予選Q2直接進出を逃す位置で終えた。このポジションは、これまで苦戦してきたホンダ勢にとってはかなり良い順位であり、2日目に向けて期待も高まっていた。ただ予選で中上は苦戦し、Q1を11番手で敗退。スプリントレースを後方からスタートすることになった。

 中上はMotoGPフル参戦は今年が最後であるため、今回がひとまず最後の母国GP。それだけにファンも中上の活躍を期待していたが、スプリントレースでは5周目にチームメイトのヨハン・ザルコと接触、転倒しリタイアという厳しい結果に終わった。

 中上はスプリントレース後に取材に応じ、「今日は残念な終わり方でした」と口を開いた。

「チームメイトのあの動きでレースを終えることになってしまったので……彼に対しては、はっきりと残念な気持ちです」

「あのタイミングで、特に自分の母国戦であの動きというのはちょっと残念でしたね」

「でもレースから時間が経ってイベント等もこなしながら切り替えています。明日はメインレースでチャンスがあるので、そこでまずは怪我も無く元気な状態で走れるっていうのは良かったです」

 また中上は雨が上がった後、ウエットからドライへ変化した路面や雨のぱらつくコンディションが難しく、バイクの改善も思うように進められなかったと語った。

「全体的に見て今日はかなりコンディションが難しかったです。朝のセッションからそうですけど、予選もスプリントも……ちょっと湿ってる部分があったりとかで、完全なドライではなかったです。バイクのフィーリングは若干の違いもあったし、昨日からセッティングを少し変えたんですけど、午前中にあんまりいいところを見つけられずに、結局昨日の状態に戻したりとかで……バイクの方に関してもちょっと足踏み状態でした」

「でも転倒してグラベルでレースを終えてしまったっていうのは、ちょっと悲しかったですね」

 なお中上は転倒後もバイクを再始動させてレースに戻ろうという姿勢を見せた。結局はピットに戻ってリタイアとなったが、彼は母国戦をグラベルに突っ込んで終わり、という形にしたくなかったのだと語った。

「バイクを見た時に結構損傷はしてたものの、グラベルを歩いてるときに、もう『何が何でもこのバイクをまずはピットに戻したい』ということしかなかったです」

「普通に考えて、あの後はもちろんレースは終わりだし、あのままにスクーターに乗って帰ることが通常だとは思うんですけど、自分の母国戦ですから」

「ラッキーなことにエンジンがかかってくれましたが、自分のできる最大限のことをバイクに対してしてあげられたというのは良かった点ではありますね」

「あれ以上はできなかったし、今日はツイてなかったので、明日いい方向に運が向いてくれる事を願ってます」

 決勝レースに向けてはタイヤ選択が悩みどころだと中上は言う。曰く、フロントがハード以外使えない一方で、リヤタイヤを決めきれていないという。

「スプリントもコンディション的に中途半端というか、フルドライでもなかったし、濡れてたり、気温も低かったりはあったんですけど、フロントにハードを選ばないと全く止まれなかったんです」

「普通に考えたら、『このコンディションでハードは無理でしょ』という流れなんですけど、ソフトは使い物にならず、ミディアムも柔らかすぎる状況でした。だからフロントをハードにするというのは明確でしたね」

「問題はリヤです。タイヤの消耗がここは激しいので、ソフトで走りきれるかどうかが疑問です。ミディアムもエッジグリップが心配ですし、ソフトで行ったとしても最後はただ完走するだけ……というようになるかもしれません。そこはレプソルのライダーの(タイヤ)データも解析してもらって、それ次第になってくると思います」