モビリティリゾートもてぎで行なわれているMotoGPの日本GPの予選では、グレシーニのマルク・マルケスがトップタイムを記録し、ポールポジションを獲得したかに思われた。しかしこれはトラックリミット違反でタイム抹消となり、マルケスは9番グリッドからスプリントレースをスタートしたが、3位表彰台に辿り着いた。このペースがあれば、決勝でも活躍が期待されるところだが、マルケスは「レースは長いから別物だ」と慎重な構えだ。
マルケスは日本GPの予選で1分42秒868のタイムを記録した。このタイムは、ホルヘ・マルティンが2023年に記録したラップレコードをコンマ3秒ほど更新する、新レコードとなるはずだった。しかしレースディレクションは予選終盤、マルケスのアタックはトラックリミット違反だったと裁定。ラップタイム抹消の処分を下した。
マルケスがほんの僅かではあるもののコース外を走ったシーンは、国際映像にもハッキリと映されていた。
「土曜日はすごく良かった。特にスピードがあったからね」
マルケスはそう語った。
「ペースがあったから、レースに集中することができた、(ドゥカティのエネア)バスティアニーニの後ろで熱くなったけど、楽しかった。表彰台に上がれたけど、それが目標だあったんだ。そしてポイントも獲得した」
ただマルケスは、予選でタイム抹消となる判断が遅すぎ、再びアタックをやり直すことができなかったと苦言を呈した。
「確かに僕がコースを離れたんだけど、発表されるまでに時間がかかりすぎた。僕には何もできることはなかったんだ」
「予選では速さを見せられたけど、運が悪かった。グリーンのところに触れたが、(トラックリッミット違反の)通知が遅れたんだ。通知のシステムに問題があったと言われた。Wi-Fiの問題だったのかどうかは分からないよ(笑)。コンディションが微妙だったからリスクは冒したくなかったけど、タイムが抹消されたことを知っていたら、もう1回アタックして、グリッドの上位を狙っただろう」
「でも、色々なことが起きた後に、すでにレースに集中していた。そしてトップに近い位置でフィニッシュすることができた。これが重要なことだ」
スプリントレースでは、スタートでポジションを上げることに成功したマルケス。しかしいつものような”派手”なスタートとはならなかった。
「スタートはまずまずだった。でも5コーナーまでライドハイトデバイスを解除できず、それで落ち着いて走れなかった。マルティン(ホルヘ・マルティン/プラマック)に追いついて、そしてオーバーテイクすることができたが、今度はタイヤの内圧が上がってしまったから、ペースを落とさなければいけなかった。結局彼は後退し、僕はエネアを攻めることができたが、彼はうまくディフェンスしたね」
日曜日の決勝レースに向けては、まずはスタートが重要だとマルケスは語った。
「今日のコンディションは厳しかったが、レコードを更新することもできたし、レースでもとても速かった。だから明日はどうなるか見てみよう。レースはとても長く、後半にはタイヤが消耗するはずだ」
「全てはスタートと1周目にかかっている。前にいるライダーたちに並びかけることができれば、全てうまくいくだろう」