「石破内閣は10月27日総選挙大敗と支持率低迷で短期内閣と終わる」
こう断定するのは政治アナリストの1人だ。つまり選挙管理内閣で命運が尽きる可能性が高まったということだ。その政治アナリストが、背景をこう解説する。
「総裁選中、裏金議員を非公認とする可能性を示唆していた石破氏は、イザ総理となり次期選挙での公認問題に直面すると右往左往。結果、裏金議員は原則公認とし、そのあげく裏金議員は最低でも比例重複させないという方針まで撤回したのです。共同通信の世論調査では裏金議員の公認に納得できないという人が75.6%に達している。それでも石破政権が裏金議員を原則公認する方向を示したことには批判が殺到しています」
ネット上にも「コレ(石破政権は)負けに行ってんの?」など呆れる声が続出。一方、自民党内にはこうした声も聞こえる。
「旧安倍派議員中心の裏金議員の非公認など最初からありえない。岸田前首相はそれができないと踏んで、総選挙をやればボロ負けするから事前に退陣した。そして、そのツケは岸田の次の内閣が背負い、ガス抜きしたうえでその次の本格政権につなげる。まあ原則公認なら、石破政権は総選挙で現有の255議席から210議席でストップできれば御の字。公明と合わせて過半数233議席をわずかに上回る議席が維持できればいいということだ」
しかし仮に自民で45議席もマイナスとなれば石破責任論が噴出するのは間違いない。
「いまのままでは石破氏は、政権成立後最短総選挙の実施で『嘘つき内閣』と呼ばれているのをはじめ、やることなすこと総裁選政策論で語っていたことと180度異なってしまう。地方で多かった石破シンパもあきれてハイ、サヨウナラだ。支持率も早晩20%切るのは間違いない。選挙で負けて支持率低迷なら自民党内では石破降ろしだ」(同)
その前に立憲民主党の野田佳彦代表と小沢一郎氏のコンビが政権奪還できるかといえば、完全野党共闘ができなければ、それは夢物語で終わる。
かくして石破内閣は短命政権となる可能性が高い。そうなれば再び先の総裁選で2位となった高市早苗元経済安全保障担当大臣が総裁選に出馬、そして林芳正官房長官らと覇を競うことになる。毎日新聞の緊急世論調査では「高市氏に期待する」は43%(自民党支持層57%)にものぼっている。ガス抜きが終わった次の政権は安定政権となる可能性が高い。
いずれにしても党内基盤が弱い石破首相がここで、次の総裁選に向けてどう立て直せるかにすべてがかかる。自民党長老は言う。
「国民世論を味方につけるしかない。かつて小泉純一郎政権が郵政民営化で世論を味方につけた手法だ。それができなければ石破政権は10.27前後で積みだ。100日天下どころか30日天下でジ・エンドだ」
アメリカ新大統領との会談も中国の習近平国家主席とのトップ会談も「邯鄲の夢」と終わるのか…。
(田村建光)