スタートで“置物”に。スプリント9位ビニャーレス「ライドハイトデバイスが効かなかった」と主張もアプリリアは「ブレーキが十分でない」と示唆

 MotoGP日本GPでフロントロウを確保しながら、スプリントではスタートに失敗したマーベリック・ビニャーレス(アプリリア)。彼は“馬鹿みたいな”スタートだとして残念がった。

 予選で3番手に食い込み、スプリントレース・決勝レースに向けてドゥカティ勢を食う活躍が期待されていたビニャーレス。しかし土曜のスプリントではスタート直後の1コーナーまでにいくつかポジションを落とすと、最終的に9位でゴールした。

 予選で好調さを見せながらも、スタートで出遅れてレースが不本意なものになるという流れは、近年のビニャーレスにおいては頻繁に見られる。これについてビニャーレスは、スタート直後のウイリーを抑制するためフロント車高を調整するライドハイトデバイスが機能しなかったことが原因だと説明した。

「スタートはうまくいったけれど、最初のブレーキングゾーンでフロントのライドハイトデバイスが作動しなかった(車高がもどらなかった)んだ」

「アクセルを開けたらウイリーして、順位を大きく落としてしまった。1周目の僕はまるで(道路上で動かない)三角コーンのような状態だった」

「そこからは正直なところ、上位陣と一緒に走れるほどのリズムがなかった」

 ただこの件についてアプリリア広報は、システムの故障ではなく、むしろビニャーレスが十分にハードブレーキをしなかったことが原因であると説明している。曰く、ライダー支援システムをフル作動させ、バイクの車高を戻すには、最初のコーナーでしっかりとブレーキをかける必要があるという。

 今回のスプリントは、アプリリア勢全体にとって厳しいものとなった。ビニャーレスのチームメイトであるアレイシ・エスパルガロは予選15番手に沈み、残り3周でクラッシュアウト。トラックハウスはラウル・フェルナンデス、そして負傷欠場となったミゲル・オリベイラの代役ロレンソ・サルバドーリ共にトップ10に入れず、ビニャーレスだけがスプリントでポイントを持ち帰った。

 今季限りでアプリリアを離れ、KTM陣営に移籍することが決まっているビニャーレス。今季は序盤戦のアメリカズGPでの勝利が決勝での唯一の表彰台となっているが、彼は日本GP前、自身のパフォーマンスには問題がなく、アメリカ以降アプリリアが苦戦しているのは技術的な要因だと主張していた。