10月6日、MotoGP第16戦日本GPのMoto2クラス決勝レースがモビリティリゾートもてぎで行なわれた。タイヤ選択が分かれるトリッキーなレースで優勝したのはマヌエル・ゴンザレス(QJmotor Gresini Moto2)で、小椋藍(MT Helmets – MSi)は2位だった。
ダビド・アロンソのシリーズタイトルが決まったMoto3クラスの決勝からほどなくして、Moto2クラスの決勝が始まっていった。サーキット上空は薄暗くなっていたが、ドライコンディションでレースがスタートした。
ポールシッターのジェイク・ディクソン(CFMoto Aspar Team)がトップで1コーナーを抜けた一方、3列目9番グリッドスタートの小椋は集団をかき分けながら2コーナー立ち上がりで2番手までジャンプアップした。しかしながらスタートとほぼ同時に雨が降り出したことで、レースは1周目で赤旗中断となった。
ただ雨はすぐにごく弱い小雨となり、10分ほどでピットレーンオープンに。レース再開に向けて動き始めたが、多くのライダーがレインタイヤに履き替えた中で、小椋ら一部のライダーは天候の回復を見越してスリックタイヤを選んだ。
12周のレースがスタートすると、トップ3はディクソン、イザン・ゲバラ(CFMoto Aspar Team)、アロンソ・ロペス(Speed Up Racing)というオーダーとなった。小椋は慎重な蹴り出しで一旦14番手までポジションを落としたが、路面はすぐにスリックタイヤに圧倒的優位なコンディションとなり、瞬く間にポジションアップ。3周目を終えて4周目に入るタイミングでディクソンを抜き、トップに浮上した。
小椋以外のスリックタイヤ勢も同様にレインタイヤ勢を蹴散らしていき、2番手以下にはゴンザレス、フィリップ・サラック(Elf Marc VDS Racing Team)、ジェレミー・アルコバ(Yamaha VR46 Master Camp Team)、ゾンタ・ファン・デン・グールベルク(RW-Idrofoglia Racing GP)が続いた。上記の5台は後続に対し1周5秒以上速いペースで、別次元の走りを見せた。
2番手のゴンザレスは小椋よりもペースが良く、やがて背後まで接近。残り4周でオーバーテイクに成功し、ここで首位交代となった。小椋はゴンザレスを抜き返すことはできなかったが、1秒強のギャップを保って周回を続けた。
ゴンザレスはトップでチェッカーを受けMoto2初優勝。小椋が日本GPで3年連続表彰台となる2位で、3位がサラックとなった。Yamaha VR46 Master Camp Teamの佐々木歩夢は24番グリッドからスタートし、21位だった。
Moto2クラスのポイントリーダーとして日本GPを迎えた小椋は、2位に入ったことでライバルとのリードをさらに拡大。ランキング2番手のセルジオ・ガルシア(MT Helmets – MSi)に60点差をつけ、最速で次戦オーストラリアGPでのタイトル決定もあり得る状況となった。