【深い】死ぬほどウザいエジプト人に「真の営業とは何か」を教えられた結果 → 7万円の香水を買いそうになる

・ウザさの向こう側

あっという間にエジプト最終日。せっかくなのでエジプト料理のフルコースを食べる。

人によって好みが分かれそうなエジプト料理をつつきながら、ふと、私の脳裏に「2度とあの男に会うことはないのか……」という思いがよぎった。アイツが死ぬほどウザかったことは確か。でも不思議なもので、カイロで一番印象深い思い出もまた、あの男なのである。

店を出たあと、私はもう1度だけ、あの道を通ってみることにした。ここカイロには当然ながら多くのアジア人が往来している。仮にあの男がいたとして、向こうは私に気づかないだろう。

すると……

男「あ、あの日本人じゃん! 元気〜?」

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・完敗である

心の中で「負けたよ……」とつぶやいた私は、「あなたの店を見たい」と自ら申し出た。営業の本質ってつまり、こういうこと。ねばって、ねばって、ねばり抜いて、ウザいを超えた先に生まれるもの……それは「あなたからモノを買いたい」という感情だ。まさかカイロの男に教えられるとは思いもしなかった。

広さにして10坪ほどの男の店は1階で絵画や土産物、2階で香水を売っているとのこと。「最高の香水を破格で売ってあげる」というので、2階へ上がることに。

「あのシャネルも、グッチも、ディオールだって、香水にアルコールが含まれている。だが……ウチの香水にはアルコールが入っていないんだ!」と、誇らしげに語る男。香水にライターの火を近づけるパフォーマンスは、アルコールが入っていないことの証明らしい。

正直アルコールの有無はどちらでもよかったが、コーヒーを出されてしまったので黙って男の話をきいた。

なんとなく好みの香りを選んだ私は「そろそろ帰る」と男に告げた。最後に彼に会えたことに運命じみた感覚をおぼえたものの、別に長話をしたいわけではない。ましてや再び会いたいわけでは決してない……ってことで、お会計〜!

男「安くしとくぜ……特別に500ドル(約7万3000円)だ!」