シーズン序盤の勢いはどこへやら……レッドブルが苦しんでいる。対照的に調子を上げてきたマクラーレンにコンストラクターズランキングで逆転を許し、すでに40ポイント以上の差をつけられているのだ。
レッドブルはマシンの重要な領域であるフロアを”ツギハギ”し、もはや挑戦者となってしまったマシンを改善しようと試行錯誤している。クリスチャン・ホーナー代表は、チームが苦しんでいる問題が2023年に行なったアップデートに起因する可能性を認めたが、マックス・フェルスタッペンの素晴らしいパフォーマンスが問題を覆い隠したと考えている。
「殻を剝いたり、玉ねぎの層を剥がしたりすれば、実は2023年まで遡って空力的な問題がいくつかあったと思う」
ホーナー代表はそう分析した。
「マックスはトラブルがあってもドライブできる不思議な能力のおかげで、それに対処することが出来たのだと思う」
「マックスは、誰もが苦しむようなマシンを乗りこなした1990年代のミハエル(シューマッハー)のような状態になりかけていた」
「マックスには、問題や繊細さを抱えながらもマシンをうまく走らせる能力がある」
「だからこそ、モンツァに至るまですべてが積み重なっていった。しかしモンツァでダンフォースを取り除いた時、フロントアクスルとリヤアクスルの分断(マシンバランスの問題)が露呈したんだ」
フェルスタッペンのマシンとタイトル争いのライバルであるランド・ノリスのマシンの間にあるギャップについて、彼は率直に「ランドのシンガポールでのパフォーマンスに基づけば、だいたい23秒だ」と説明した。
「でも物事を理解し、解決策を見つけ始めたと思う。マックスがシンガポールでマシンをフロントロウに並べたことは驚異的な成果だったと思う……特に、その前年が我々のベストコースとはほど遠いものだったことを考えればね」
「我々にはやるべきことがたくさんある。すべての要素が関係していると思う」
「クルマがメカニカル的にも、空力的にもどう作用するか。そしてももちろん、ピレリタイヤについても、パフォーマンスの”マジック・ウインドウ”を見つけられるかという点で、特にセンシティブになっている」
「だから、すべての要素が影響している。だが我々はそれをやり遂げ、逆転することを決意している」