フランス自動車技術連盟(FFSA)傘下のフランスF4は今年の全7ラウンドを迎え、暫定的ながらも日本から参戦する16歳の加藤大翔が最多ポイントを獲得。ただレース後の審議が長引いていることから、依然チャンピオンは確定していない。
加藤は昨年ホンダ・レーシングスクール・鈴鹿(HRS)フォーミュラでスカラシップを獲得。今年は育成ドライバーとしてフランスF4で本格フォーミュラレースデビューを果たした。
未経験のサーキットだらけという状況ながらも、加藤はシミュレータでの事前準備と担当エンジニアとの綿密なコミュニケーションを武器に活躍した。1ラウンド3レース制のフランスF4で、開幕ラウンドのレース1から表彰台を獲得すると、第2ラウンドのレース3で初優勝。最終ラウンドまでにポール・トゥ・ウィンを2度達成した。
ランキング2番手として迎えた最終ラウンドで加藤は、レース1でタイトルを争うヤニ・スティーブンヘイデンスとの激しい優勝争いを制してトップチェッカーを受けた。
予選結果通りのグリッド順となるレース1と異なり、予選トップ10がリバースグリッドとなるレース2、予選セカンドベストタイム順となるレース3で加藤は表彰台を逃したものの、全レースを終えた時点で加藤は計280ポイント。スティーブンヘイデンスに6ポイント差でランキング首位となった。
ただ、スティーブンヘイデンスの異議申し立てによりレース1の結果が確定しておらず、スチュワードの裁定待ちという状況。そのため加藤が今季のフランスF4チャンピオンを掴めるかどうかは確定していない。
加藤はシーズン開幕前の段階で、「17歳はFIA F3チャンピオン、そのままFIA F2に進み、ちょうど20歳でF1に乗る人生設計図」を描いていると明かしてくれた。HRS(旧SRS含む)から羽ばたいていった先輩たちに続き、今季フランスF4を制して、来季はFIA F3にステップアップすることが目下の課題となる。