飛ばす秘訣は“飛ばない番手を選ぶ”こと?ラウンド時のクラブ選びを解説

クラブは14本までとルールで認められているが「コースマネジメントやスコアメイクの仕方を覚えるなら半分がいいです」と大原健陽コーチ。

好スコアを出すのに本当に必要な打ち方や攻め方が学べるので、クラブを7本に限定したラウンドをぜひ試してほしい。

【コースでのアプローチ・バンカー】簡単なのはAW!「成功体験」を増やして実感しよう

AWは構えた時点でやさしさを感じる

簡単だとわかっているはずなのに……


つねにAWとSWの2本持っていく。
「トーナメントはキャディが近くまで一緒に行くから気づきにくいですが、
選手が打つ前にAWとSWのどっちにしようか考えているシーンはよく見かけますよ」(大原)

「アプローチは転がしが簡単でやさしい」。おそらく何度も聞いたことがあるでしょうが、徹底して実行している人は多くはありません。AWでの転がしが簡単な理由はいろいろありますが、僕がいちばん感じるのは構えたときの見た目。ロフトが立っているので、ボールを上げようとする意識が頭からもスイングからもなくなる。すると、ヘッドが刺さったり、どトップしたりするミスの確率が大きく減ります。


プロもいうラクに寄るのはローロフト
「グリーンまわりはSW1本なんてプロはいません!」

プロの試合もよく見ると、SW以外でのアプローチを多用しています。なのに、アマチュアがどんな状況でもSW1本だけで寄せるなんて無謀。「ボールを高く上げなくてはいけないシチュエーション以外はAWで寄せる」。この決めごとを徹底し、ボールをミートしやすい払い打ちで転がす、安全・確実な寄せでの成功体験を積んでAWでの転がしでのアプローチのよさを実感してください。

距離が長いならロフト小のウエッジで


足(ラン)が長く使える状況ならAWでランニングアプローチ!
ラフが深くない、グリーンも硬すぎず速すぎないアマチュアがプレーするコース設定なら、
56度未満のロフトでの寄せが断然やさしい

30ヤード以上飛ばさなくてはいけない距離のあるバンカーショットも、AWでベタピンを狙ってください。飛距離を出すためにSWで大きく振る、強く打つのは砂地では大ミスになりやすい。

AWで、アゴが低ければロフトが立ったぶん飛ぶのを利用する。アゴが高ければフェースを開いて打ちますが、開くことでバンスが増え、砂に潜りにくくなるためしっかり飛ばせる。

やってみるとわかりますので、ぜひ「AWを開いて飛ばす」にもトライしてください。


AW開いたバンスが砂に効く
「フェースを開くとバンスが増えますからね!」

「ピンまで距離のあるバンカーからのアプローチも“SWでガンバる”よりも“AWで打つ”がオススメ!」(大原)

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【コースでのロングショット】ミート命!「短い・上がりやすい」が「長い」を勝る


ウッド系飛ばないほうが結果飛ぶ
(左から)3W、5W、2UT、3UT、4UT、5UT

「届かないなら小さい番手のFW・UTで、ナイスショットの確率が上がるプレーをする。すると“結果、飛んだ”となることも多いので、それをクラブを限定したラウンドでぜひ体験してください」(大原)

「大きく刻む」がパーチャンスをつなぐ

「200ヤード前後を打つクラブを1本」は「200ヤード前後」といいつつも、FWでもUTでも小さい番手で、180から170ヤード前後を打てるクラブを選んだ人はゴルフ力が高いですね。

用途は、番手なりの飛距離を出す以外だと、なるべく長い距離を打つときになりますが、その下が7番アイアンなので振り幅を抑えれば7番アイアン以上の距離を調整しやすくなります。


短いとうまく当てやすい

また、コンパクトに振る以外に「なるべく短くてロフトが寝ている」クラブは「当てやすい→うまく当たると球が高く上がってキャリーが伸びる→飛んで曲がらない」となるためFW・UTが苦手な人でも好結果が出やすい。


ロフトが寝ているほうが球が高く上がってくれる。
200ヤード前後は”後”のクラブのほうがやさしくきちんと飛ばせる

もっと飛ぶクラブを大振りして大ミスになるよりスコアメイクしやすいことや、じつは3Wより5Wのほうが確実に飛ぶ。

3UTより4UT以下のほうが安定してロングショットが打てて、パーの可能性が消えないことがわかるでしょう。

いかがでしたか? ぜひ確実なショットを実現するためのクラブ選びを意識してみてください。

レッスン=大原健陽

●おおはら・けんよう / 1996年生まれ、広島県出身。東北福祉大学ゴルフ部を経て、5年前から奥嶋誠昭プロコーチのもとでスイングとギアの知識を深く学ぶ。現在は奥嶋の右腕として「THE REAL SWING GOLF STUDIO」(神奈川県横浜市)で多くのゴルファーのレッスンやクラブフィッティングを行なっている。

写真=高橋淳司
協力=日神グループ 平川CC