開催予定の二転三転が続いたMotoGP、2025年は大丈夫? 運営ドルナ責任者はチェコ&ハンガリー復活に自信

 9月下旬、MotoGPは2025年シーズンの開催カレンダーを発表。全22戦からなる予定がようやく公開されたが、開催予定の混乱や今後承認が必要になっているコースなどについて、運営のドルナ・スポーツが語った。

 2025年シーズンは全22戦が予定されている。ただこのスケジュールでは、本来予定されていたインドGPが含まれないことになった。

 インドGPは2023年に初開催されたが、2024年は運営上の都合と不適切な気候条件を理由に開催が延期。2025年3月に開催することを目指していたが、結局「運営上の事情」によって2026年に復帰を目指す形となった。

 またカレンダーには新たにハンガリーGPが加わり、ここ5年開催されていなかったチェコGPがブルノで再び行なわれることも決まった。

 運営のドルナ・スポーツでスポーティング・チーフ・オフィサーを務めるカルロス・エスペレータは、インドGPの予定の乱れについては、次のように事情を説明した。

「インドは、MotoGPそしてバイク業界にとって非常に巨大なマーケットだ。我々はウッタル・プラデーシュ州政府と合意してきたが、残念だがカレンダー発表のデッドラインもあり、プロモーターの選定やサーキットのアップグレードについて、期限に間に合わせることはできなかった」

「そのため、イベントの準備に1年半を利用することが、ベストな方法だと我々は合意した。我々はここには引き続き大きなポテンシャルがあると考えているし、最善の方法が延期だったのだと理解し合っている」

 開催できるかどうかが不確実だったインドGPは来季のカレンダーから除外された。ただそれだけで2024年に3回もグランプリが中止されたような混乱が、再び起こらない保証はない。

 ハンガリーGPは新設コースのバラトン・パーク・サーキットを舞台としていて、そのコースは今年改修が間に合わずWSBKが中止となっており、MotoGPのために変更が必要となっている。また、チェコGPの舞台ブルノ・サーキットも7月までに必要な路面再舗装やサーキットのアップグレードが行なわれることが前提になっているなど、開催には条件がある。

 しかしエスペレータは2024年のようなグランプリ中止が連続する事態にはならないと自信を持っているようだ。ブルノの路面再舗装について、エスペレータは次のように語った。

「再舗装はまだ行なわれていないが、それは復帰にあたっての条件の一部だ」とエスペレータは言う。

「改善しなくてはならない点は他にもあるが、彼らはその全てに同意しているし、我々は皆楽しみにしているよ」

「これはMotoGPにとって伝統的なイベントであり、何十年も多くのファンを魅了してきた。だからチェコ当局とMotoGPは共に、ここで(チェコGPを)復活させることを喜んでいる」

 そしてハンガリーGPの開催に向けては、「大幅な変更」が必要だとMotoGP側も認めているが、エスペレータは開催に向けて自信があるという姿勢を見せている。

「我々とハンガリー政府との間では数年前から合意があったが、(新型コロナの)パンデミックの影響によって、いくつかのプロジェクトが遅れている。しかしバラトンパークでのレース開催を発表することができ嬉しく思っている」

「このサーキットはつい最近建設され、MotoGPに向けて大幅な変更が必要になってくるが、ファンの方達に向けて近い内にどんなものになるかを見せる準備ができるはずだ」

「典型的なレイアウトであり、改修が必要な高速セクションが多く、そしてライダーが楽しめるだろう低速かつテクニカルなセクションも存在する」