F1アメリカGP、トラックリミット違反連発回避のため“フェイクグラベル”実装。路面の再舗装も

 motorsport.comの調べでは、F1アメリカGPの舞台であるサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)は、トラックリミット問題を改善するためにコース改修を行なったようだ。

 今年COTAは路面の再舗装を実施したのに併せて、昨年のグランプリでドライバーたちがトラックリミット違反を連発した問題に対処しようと試みた。

 実際、この問題は、複数回にわたってトラックリミット違反があったにもかかわらずペナルティが出されなかったケースがあるとしてハースが異議申し立てを行なうほど泥沼化していた。

 FIAスチュワードはハースの要求を退けたものの、特にターン6でドライバーのコース逸脱がオンボード映像で確認されたことで、他チームから対策が不十分との不満が噴出した。

 最終的にFIAはトラックリミットに関するオンボード映像の問題を認めたものの、正確にコース脇のホワイトラインからタイヤがはみ出していたかどうか判断するには、特定コーナーの外からの監視だけでは不十分だと判断した。

 昨年起きた問題を念頭に、COTAが今年、再発防止に向けてコースに一連の修正を施したことが明らかになった。

 ターン6、13、14、15の内側は、アスファルト縁石が1.5m狭められ、芝生に置き換えられた。これによりドライバーは縁石を大胆に活用することはできなくなるはずだ。

 また、トラックリミット違反を取り締まるため、COTAは“戦略的な場所”に監視カメラを追加したと発表した。

 バックストレートに向かうタイトなターン11の左コーナー出口も変更を受けた。依然は“亀の子縁石”が設けられていたが、現在は砂利を樹脂で固めた“フェイクグラベル”が敷き詰められた。

 このフェイクグラベルは、2022年にザントフールト・サーキットで導入されたモノで、ドライバーに対しては抑止力として働きつつ、コース上に砂利が掻き出される心配もない。

 COTAはF1だけでなくMotoGPも開催しているため、双方の要件をバランスよく満たす必要があり、今回の変更は実験的に実施されたモノと理解されている。

 また他の縁石も交換され、ウエットコンディションを改善するための排水溝も追加された。

■路面の再舗装

 トラックリミット違反の対応に加えて、COTAでは路面の再舗装も実施された。2023年に問題となった路面のバンプも解消されるはずだ。

「バンプを無くすことが主な目的だった」

 COTAのCEOであるボビー・エプスタインはそう説明した。

「コースの一部は12年前のモノだったから、そろそろ潮時だった」

「マックス(フェルスタッペン/レッドブル)が昨年、かなり悪い評価を下したのは知っている。ポジティブなことが聞けるといいね。『全く新しいサーキットだ。素晴らしいよ』ってことが聞けるはずだ」