ドゥカティのファクトリーライダーとしてMotoGP最高峰クラスに参戦し7度の優勝記録を持つエネア・バスティアニーニは、今週末開催される“ラリーレジェント・フェスティバル”で2輪から4輪に乗り換える。
このラリーレジェント・フェスティバルは、ラリー競技の過去と今を祝うイベント。今回で第22回大会となり、サンマリノで4日間にわたって開催される。
先日のMotoGP日本GPで4位入賞を果たしたバスティアニーニは、このイベントでアウディ・クワトロS1のステアリングを、ランボルギーニの研究開発ドライバーであるエマヌエーレ・ゾンツィーニとシェア。観戦ステージで走行を行なうようだ。
クワトロS1は、世界ラリー選手権(WRC)の悪名高いグループB時代に投入するため設計され、ターボチャージャー付き2.1リッター直5エンジンから約500PSを発生させる。
1984年のシーズン終盤にデビューしたクワトロS1は、翌年のマニュファクチャラーズタイトル争いでプジョーに次ぐ2位獲得に貢献した。
ラリーに興味を持つMotoGPライダーはバスティアニーニだけではない。2020年には現在プラマックに所属するフランコ・モルビデリが、Rally2のヒョンデi20 Nを駆ってWRC最終戦ラリー・モンツァに参戦。クラス39位でフィニッシュした。
またモルビデリの師匠であり、MotoGPのレジェンドであるバレンティーノ・ロッシは、モンツァ・ラリーショーで7度優勝。WRCには3度出走した。
ラリーレジェント・フェスティバルには、フォード・プーマRally1を駆るM-スポーツの現役ドライバーであるアドリアン・フルモーらWRCのスター選手が登場予定だ。
フルモーとコドライバーのアレクサンドル・コリアは、F1レースウィナーでラリーに転向したヘイキ・コバライネンと、今月初めにWRCコドライバーの引退を発表したヤンネ・フェルムのコンビを相手にバトルを繰り広げる。コバライネンが乗るのは2017年シトロエンC3 WRCカーだ。
またスティグ・ブロンクヴィストは、1984年のWRCタイトル獲得から40周年を記念してアウディ・クワトロをドライブ。2度のWRCチャンピオンであるミキ・ビアシオンもランチア037を駆り、ランチア・ストラダーレの初タイトル獲得から50周年を祝う。
ブロンクヴィストやビアシオン以外にも、ル・マン24時間レースで6度の優勝を果たし1983年のダカールラリーも制覇したジャッキー・イクスや、1981年WRCチャンピオンでダカールラリーを4度制したアリ・ヴァタネンも参加する。ふたりはそれぞれポルシェ959とプジョー405 T16のダカールマシンをドライブする。
また、元WRCドライバーのアルミン・シュワルツはアウディ・クワトロ・クーペ・グループAを、その息子であるファビオ・シュワルツは父親が2002年から2003年まで使用したヒュンダイ・アクセントWRCをドライブする。