「なんばん」「ぐしんとーじん」って一体何? 地域で違うトウモロコシの呼び方

 焼いても茹でてもスープにしても美味しいトウモロコシ。実はトウモロコシは、地域によってまったく異なる名前で呼ばれているようだ。その呼び方は、聞いたことがあるようなものから、全く馴染みのないものまで様々。実際にどのような呼び方があるのか見ていこう。

●こんなに違うの? トウモロコシの呼び方いろいろ



 トウモロコシの一大産地である北海道では、トウモロコシのことを「とうきび」と呼ぶことが多い。札幌の大通公園には「とうきびワゴン」が出店し、醤油を塗って焼いた「焼きとうきび」を販売。毎年4月に営業開始となるため、春の風物詩として知られている。

 東北でも「とうきび」と呼ばれることが多いが、青森県ではトウモロコシのことを津軽弁で「きみ」と呼ぶことも。そのため、青森県産のブランドトウモロコシに「嶽きみ」というものがある。また、宮城県や福島県では「とうみぎ」、山形県南部や福島県西部では「とうきみ」という呼び方もされている。

 ここまでは何となく「とうきび」と近しい呼び方が多いが、近畿地方や愛知県、岡山県、山口県などの一部ではがらっと変わり、「なんば」「なんばん」という名前で呼ばれている。

 昔、外国人は「南蛮人」と呼ばれていた。その南蛮人が持ち込んだものであることから「なんばんきび」と呼ばれるようになり、後に「きび」が省略されて「なんばん」「なんば」と呼ばれるようになったのだとか。

 こうなると、沖縄での呼び方も気になるところ。沖縄でトウモロコシは「ぐしんとーじん」「やまととーんちん」「うらんだふいん」など、なんとも特徴的な名前で呼ばれているようだ。

 しかし、変わった呼び方をするのは沖縄だけではない。熊本県には「さんかく」、香川県には「こーりゃん」という呼び方が。ネット上には「広島ではトウモロコシを“まんまん”って言ってたはず」「茨城の祖母は“トウムギ”って言ってた」などの声もあり、細かな方言を加えるとまだまだたくさんの呼び方があるよう。

 あまりにも呼び方の種類が多いため、地元の人以外との会話では「トウモロコシ」を使うのが無難かもしれない。(フリーライター・井原亘)

■Profile

井原亘

元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている