最初の印象とは全然違った【家そば放浪記】第258束:ヨークベニマルで買った、日清製粉ウェルナ(滝沢食品)『ナンバーワンそば』159円(1人前80円)

人を見かけで判断してはいけないが、干し蕎麦も見かけで判断してはならない。

恥ずかしながら、今回の蕎麦を目の当たりにした時、正直「イマイチだろうな」と思ってしまった。だって名前が『ナンバーワンそば』なんだもの。

かつて “志村けんのカップ麺” として長いこと普通に売っていた『ケンちゃんラーメン』や、ダンプ松本がCMに出ていたカップ麺『タコヤキラーメン』に通ずる「大丈夫かな感」を抱いてしまった。

しかしその名前の上をよく見てみると……

日清製粉ウェルナ(welna)!? 日清製粉? え? 日清製粉が干し蕎麦を出しているのォ!?

小麦粉とか、パスタ(マ・マー)とかの、あの日清製粉が干し蕎麦も出しているの! 知らんかった〜!

ちなみに調べによると、「ナンバーワン」はブランド名らしく、そうめん、ひやむぎ、うどんもあった。

とはいえ、作っているのは(製造所は)、これまで何度も当連載に登場している「滝沢食品」。

よくプライベートブランドを作っている印象があるメーカーだが、戦歴的には3勝2敗といった感じか。

はたして今回は……

デカい鍋に湯を沸かし……

5分ゆでて……

特に「氷水でシメよ」とは書いておらず、「充分水洗いします」としか書いてないので、冷たい水道水で水洗いしてハイ完成。

して、そのお味は──

あれ? これ予想外にうまいぞ。 

つゆなしで食べたら、なんとなく「JALとかANAの機内食で出てくる蕎麦みたいだな」とか思ったのだが、つゆにつけたら俄然うまくなった。

もちろん小麦粉に強い日清製粉なだけに蕎麦蕎麦はしていない。小麦粉小麦粉しているといえば小麦粉先行の蕎麦であろう。

しかし、なんだろう、「普通にうまい」というか、レベルとしては「古い球場にある立ち食い的な蕎麦屋」や「駅の中にある立ち食い蕎麦屋」、このあたりの蕎麦のクオリティに酷似している。

ゆえに「家そば」か「外そば」かなら外である。生麺に近いといえば近いかも? これはこれで好きという人もいるのでは。

私としても、嫌いじゃない。こういう蕎麦を食べたい時もある。

なんとなく「温」で、たくさんワカメを入れて食べたくなった。七味唐辛子もたくさん入れつつ。

執筆:干し蕎麦評論家・GO羽鳥

Photo:RocketNews24

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