「スピードに驚いたよ!」アストンマーティンF1リザーブのドルゴビッチ、インディカー初テスト。来季参戦の可能性も?

 9月30日(月)、フェリペ・ドルゴビッチはチップ・ガナッシ・レーシングからインディカーのテストに初挑戦。マシンのスピードに感心したようだ。

 2022年のFIA F2チャンピオンで現在はアストンマーティンF1リザーブドライバーを務めるドルゴビッチ。彼はバーバー・モータースポーツ・パークのロードコースでホンダエンジン搭載の11号車に乗って129周にわたり走行し、非公式ながら1分7秒631のベストタイムをマークした。

 F2以降、レースカテゴリーへのレギュラー参戦から遠ざかっていたドルゴビッチだが、F1リザーブを務める傍ら、フォーミュラEのルーキーテストに参加したり、キャデラックからル・マン24時間レースに参戦したりと様々なカテゴリーで経験を積んできた。

 そんなドルゴビッチは今回がインディカー初挑戦。予想外かつ楽しい体験が沢山あったとテストを振り返った。

「ドライビングスタイルが全く違う」

 ドルゴビッチはmotorsport.comにそう語った。

「スピードには驚いたけど、同時に想像していたモノとは全く違っていた。F2マシンによく似ていると想像していたし、ドライビングスタイルもそれほど違わないけど、マシンから来るフィーリングは、これまで僕がドライブしてきたモノとは全く違うね」

「マシンのジオメトリーも違うし、使っているタイヤもサイドウォールが柔らかくてとても良いし、乗っているマシンの挙動をより感じ取ることができる」

「僕にとってはかなり良い経験になったと思う。タイムという点では、上手く走れたし、自分にできることを示せたと思う」

「ルーキードライバーのテストとは言え、チームはマシンを試すためにこのテストを使っている。何回かテストがあっても、非常に限られているからね。セットアップ面でチームのために多くのことをテストしたけど、彼らもそのフィードバックをとても気に入ってくれた。結果については非常に満足しているよ」

 参考までに、バーバー・モータースポーツ・パークで開催された4月のアラバマ・インディGPの予選では、チップ・ガナッシのアレックス・パロウが予選で1分5秒586をマークしていた。

 ただ、これはハイブリッドユニットが搭載される前のこと。最高出力を800馬力以上に引き上げるのに役立つが、同時にかなりの重量増にも繋がる。実際、3月にバーバーで行なわれたハイブリッドマシンのテストでパロウは1分8秒台を記録していた。

「僕らには参考があったんだ」とドルゴビッチは言う。

「知らない人のために説明すると、今年のバーバー戦は、ハイブリッド部分をアップデートする前に開催された。そして、このハイブリッドによって80kg近く車重が増え、1秒近く遅くなった」

「だからレースタイムを比較することはできないが、彼らはその前にプレシーズンテストで既にハイブリッドを搭載してあのコースを走っており、その時の参考タイムでは僕の方が速かった」

「路面コンディションやその他諸々の理由で比較は難しいけど、彼らはハイブリッドマシンを使い始めたばかりで、理論的にはそれ以降改善されている」

「午前中、最初のタイヤセットを使った時点で既に理想的なタイムに近づいていた。最終的に僕の方が速かったし、チームには僕の準備が整っていると証明できた。このマシンに乗るのは初めてだし、100%(順応できているわけ)ではない。このマシンや他のフォーミュラにもっと乗れば乗るほど、もっと上達して自分のピークに戻ることができると確信している」

 ドルゴビッチは、今回のテストによってインディカーへの関心を高め、早ければ2025年にシリーズに参戦できるかもしれないと明かした。

「来年を考えると、インディカーはチャンスのひとつだと思う」とドルゴビッチは言う。

「僕らは検討している。レギュレーションが変更され、各チームは最大3台のマシンを持つことになった」とドルゴビッチは言う。

「このテストは昨年から計画されていた。以前はスケジュールの都合で実現しなかった。でも今年は実現した」

「僕としてはアメリカのモータースポーツ界に関わるとてもクールな機会だった。キャデラックとアクション・エクスプレスとは何度かあったけど、今回は実際にインディカーをテストできた。それはとても素晴らしいことだ」