元F1ドライバーであり、現在はランボルギーニのWECドライバーを務めるダニール・クビアトは、ランボルギーニのLMDh車両『SC63』はデビューまでに最適化が間に合っておらず、来季までにアップデートしてトップ5、そして優勝を狙っていきたいと語った。
ランボルギーニは今季、アイアンリンクスと組んでクビアト、ミルコ・ボルトロッティ、エドアルド・モルタラというラインアップでWECハイパーカークラスに参戦した。
ランボルギーニの今季ベストリザルトは、6月のル・マン24時間レースでハイパーカー23台がエントリーする大混戦のなかで記録した10位入賞だ。
クビアトは、これまでのWECでのランボルギーニのパフォーマンスには満足しているとしながらも、来年上位で戦うためにはSC63にアップデートを加える必要があると強調した。
クビアト曰く、WECおよびIMSAでのデビューに間に合わせるためホモロゲーションを急いだ結果、マシンに搭載されるすべてのパーツのパフォーマンスを最適化できたわけではなかったと明かした。
そのため、上位との差を縮めるためには、ランボルギーニが5年間で5つ使用が許されている”エボジョーカー”のうちのいくつかを使って、冬休みの間にアップデートを行なう必要があるとクビアトは考えている。
「やるべきことはたくさんあるけれど、これが1年目だ。それを忘れる必要はない」
そうクビアトは語った。
「シーズン開幕前のテストプログラムはとても短かった。ホモロゲーションが必要な部分の多くは未完成で、パフォーマンスも最適化されていなかったかもしれない」
「ル・マンはとてもクリーンだった。チームにとってとてもいいことだ。初めてのハイパーポール進出が富士になったのは、それまでペースが常に足りなかったからだ。ようやくその条件を満たすことができた」
「僕たちにはそれが可能だということだし、改善点についても考えていかなければならない。アップデートを施して、トップ5と優勝を狙っていきたい。それがゴールであり、僕の目標だ」
「僕は誰に対しても”ディスカウント”はしない。その点で要求は厳しいよ」
2024年のWECはバーレーンでの8時間レースで幕を閉じる。このコースはタイヤの摩耗とデグラデーションが激しいことで知られている。
ランボルギーニは富士で明るい兆しを見せたものの、クビアトはバーレーンでの期待に蓋をしている。
「いずれわかるよ。僕達は残念ながら、コンスタントにやれるとは言えない立場にいる。なぜ富士ではパフォーマンスが出せたのかなど、分析すべきことがたくさんあるんだ。分析には細心の注意が必要だ」
「バーレーンではもちろん、過度な期待はできない。自分たちが持っているパッケージに関して、何か違うことを期待しているわけではない。だからプレッシャーはない」