ネトフリの『地面師たち』にハマった。ハマりすぎて表参道の美容室で「辻本拓海(綾野剛)にしてください」と言ったり、その後五反田に行って大きなヤマを狙ったりしたが、今回はついに憧れのスーパー「ピーコック」に行ってきたぞ。
なぜピーコックなのか? 『地面師たち』を見ていない人なら当然の疑問なので、簡単に説明しよう。
ただ、そうするとドラマの内容に関して軽くネタバレになってしまう。よって、余計な情報なしで鑑賞したいと思っている人は以下閲覧注意でお願いしたい。
・ネタバレがイヤな人は閲覧注意
『地面師たち』をご覧になった方ならおわかりだろうが、「ピーコック」が登場するのはこんな場面だ。
状況的にはまさに交渉の詰め。地面師たちは、自分たちが適当に見つけてきたおじいさんを土地の所有者だと交渉相手に信じこませたいが、最後の最後に相手側から予想外の質問が飛んでくる。「よく行くスーパーはどこ?」と。
これに答えられないと、交渉のテーブルについてるおじいさんがニセ者だと疑われてしまう。テンパる地面師たち。
どうしよどうしよ……ヤバイよヤバイよ……と空気が張り詰めたとき、土地の所有者になりすましている おじいさんが渾身(こんしん)の力を振り絞ってこう言う。
「ピーコックは高いので、反対側のライフに行きます。ライフは安いので」
──おじいさんが股間を濡らしながら発したセリフが決定打となり、相手方はおじいさんを本物の土地所有者だと信じてしまう。
これで詐欺が成立……という場面のセリフに登場することを考えたら、ピーコックはドラマの中で重要な役割を果たしていると言っていいだろう。
ちなみに、上のセリフを聞いた私はシンプルに「ピーコックって高いんだな〜」と思った。
なにせ、おじいさんは駅前の超好立地に土地を持っているという設定。いわば資産家だ。そんな人物に「高い」と言わせるなんて、どんだけなんだと。
まぁ、実際おじいさんは資産家でも何でもないのだが、交渉相手の不動産屋はそう信じて結果的にダマされている。ということは、上のセリフに信憑性があったってことだろう。
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・店まで行ってみた
『地面師たち』全7話を見終わったあともピーコックのことが頭から離れなかった私は、実際に店舗まで行ってみることに。ドラマに登場する五反田にもほど近い、恵比寿の「ピーコックストア」だ。
今までピーコックを利用したことがないので、価格帯の想像がつかない。一体どれほどお高いのか? 成城石井レベルか? あるいはクイーンズ伊勢丹レベルか? 確かめるべく店内に入ってみると……
あれ?
そんなに高くないような……。まぁ高い安いは地域差があるだろうが、東京のスーパーとしては普通。少なくとも、私がほぼ毎日利用している『ライフ』と決定的な差があるようには思えない。
ただ、とりあえず1番高いお弁当を買ってみよう。そう思ってゲットしたのが……
通常価格537円の「ほたてごはん弁当」である。しかも、購入時は半額シールが。ピーコックストアが販売するお弁当の中でコレが1番高額ってわけではないと思うが、私が訪れたタイミングではもっとも高いお弁当だった。
味を確かめてみたが、普通としか言いようがない。不味くはないが、高級感があるわけではない。どこにでもある500円台のお弁当であった。
マジかよ。そもそも、『地面師たち』の中で「高い」って出てきたからピーコックには1000円台の高級弁当がゴロゴロあるのかと思いきや、全然ないじゃないか。
それどころか、思い出してみると「トップバリュ」の文字を店内でよく見かけたような。これ……イオンですよね?