もともとロングアイアンのお助けクラブとして注目されたユーティリティ。
しかし、今はミドルアイアンの代わりに「ハイロフトUT」が必要だと鹿又は語る。その利点とは?
同じロフトでもUTなら落下角度が42度以上に!
ボールの低スピン化もアイアンが止まりにくくなった大きな要因!
アイアンで高さが出なくなったのは、アイアンだけの問題ではなくボールが低スピン化された影響が大きい。
セカンドショットはスピン量の問題ではなく高さがないと止まりません
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落下角度40度以下はグリーンで止まりにくい
今回検証するアイアンは、私がもっとも打球が上がりやすいと評価している「G430」。
ロフトは6番で25・5度、7番で29度。しっかり球の高さが出ているように見えましたが、データでは落下角度は6番が36度、7番が39度で“グリーンで止まる”といわれている落下角度40度以上に少し足りない結果でした。
7番アイアンだとランが10ヤード以上出たが、
落下角度と高さが出る6UTはランが6ヤード前後に収まっていた
一方、同じ「G430」で、ロフト26度の5UT、ロフト30度の6UTの落下角度は安定して42度以上。最高到達点も25ヤードを超えていて、このデータなら確実に止まります。
アイアンが止まる・止まらないをスピン量の問題だと思っている人もいますが、グリーンの近くに到達した時点ではスピンは解けています。だから、落下角度がポイントになるのです。
トップクラスに打球が高く上がりやすい「G430 アイアン」との比較でもこの結果に!
アベレージ向けアイアンのなかでトップクラスに打球が高く上がりやすい「G430 アイアン」でも、高さはUT のほうが勝る
いかがでしたか? ハイロフトUTの弾道データをぜひ参考にしてみてくださいね。
試打・解説=鹿又芳典
●かのまた・よしのり/多くのゴルフメディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。
構成=野中真一
写真=相田克己
協力=ジャパンゴルフスクール