毎年12月に各シリーズごとの上位者を集めて行なわれているFIAの年間表彰式。2024年はルワンダで行なわれる予定だが、現地で発生している感染症がネックとなっている。
FIAの表彰式にはチャンピオンシップの優勝者へトロフィーが授与される場であり、F1でもチャンピオンから上位3名は出席が義務付けられている。
2021年に物議を醸す形でマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に敗れたルイス・ハミルトン(メルセデス)が表彰式を欠席し、罰金が課されたことも有名だろう。
しかし今年の表彰式は、前述のマーブルブルグ熱の発生によって、世界中からゲストなどを招く上で、課題に直面する可能性がある。マーブルブルグ熱はエボラ出血熱と類似した出血性疾患で、エボラ出血熱床となり治療法とワクチンは存在せず、致死率が非常に高くなっている。
10月8日にルワンダ保健省によって発表された最新の情報では、これまでに国内で58人の確定症例が認められており、死者は13名に上る。これはマーブルブルグ熱としては過去最大規模だ。
ルワンダ政府は現在、WHO(世界保健機関)と協同して対応に当たっており、次のように声明を発表した。
「WHOはアウトブレイクのリスクを、国レベルではとても高く、地域レベルでは高いと見積もっている。また世界レベルでは低いと評価している。流行の全容を解明するための調査が進んでおり、これらのリスク評価はより多くの情報が揃い次第、改められる」
「現在のリスク評価に基づいて、WHOはルワンダへの渡航、貿易制限をしないよう勧告する」
WHOは渡航禁止までは勧告しておらず、イギリス外務省も現時点では旅行者に対して、症状のある人との接触を避けるように促しているのみだ。ルワンダの主な観光地も、通常通りとなっている。
FIAのスポークスマンは、現時点では状況を監視しているものの、計画に影響はないとしている。
「我々はルワンダ保健省と協力して状況を注視している。現時点では、計画通りに進んでいる」とFIAのスポークスマンは言う。
マーブルブルグ熱はコウモリが感染源となっており、体液などによって人から人へも感染し、その他では寝具などの汚染によっても拡大される。